プロが教える[ふるさと納税]を上手く利用するコツ
2014.07.22
8%への消費増税が財布にジワジワと重くのしかかるなか、一筋の光明として注目されるのが「ふるさと納税」だ。
⇒【前回】『肉・米・酒がタダでもらえる裏ワザ!?』
年間200件以上の自治体にふるさと納税し、米・肉・地ビール・蟹・マンゴーなどなど、時に冷蔵庫に収まりきらないほどの特産品を受け取る金森重樹氏によると、寄付金の上限となる目安は年間支払う住民税の1~2割。所得税率の高い人ほど多く寄付できる仕組みになっているが、計算方法が少々複雑なため、モデルケースごとにまとめたのが下記の表だ。
「先にも挙げた独身、年収500万円の方の場合なら、3万4000円まで最低限度の2000円負担でふるさと納税ができます。岡山県津山市に1万円寄付して地ビール12本セット。山形県新庄市に5000円の寄付でお米が5kg。福岡県に1万円で地鶏の鍋セット。山形県山辺町に1万円の寄付で佐藤錦500g。このケースで試算すると、実質2125円でこれだけの特産品がもらえるんです。すごく得した気分になれますよね」
申し込みと確定申告の手間さえ厭わなければ、文字通りおいしい生活が送れるというわけだ。寄付金の上限金額については、世帯構成などによって多少バラつきは出るものの、概ね表に挙げた数値に近くなるはずなので、ぜひ参考にしてほしい。
お取り寄せグルメのように地方の名産品を物色することができ、たった2000円の自己負担で特産品がもらえてしまうふるさと納税には、こんな活用法もある。
「ズバリ、お歳暮やお中元代わりに贈呈することもできちゃうんです。自治体ごとに対応が違うので確認が必要ですが、申し込む人と特産品を受け取る人が別であっても大丈夫な例があります。例えば長崎県の平戸市は依頼主と届け先の記入欄が分かれていて、のしをつける・つけないの選択までできます。日頃お世話になっている上司や得意先に贈ったら喜ばれることは間違いないし、『なにそれ、俺にも教えてよ』と盛り上がることうけあいです」
金森氏が例として挙げた平戸市はふるさと納税に注力している自治体の一つで、市のHPにもわざわざ市長が登場する特設枠を設けて寄付金を募っている。寄付金に対して4割相当のポイントを付与して名産品を選べる制度となっており(1pt=1円相当)、
・平戸産いわがき 3800pt
・生酒セット 3500pt
・平戸和牛ロース 6500pt
・鯛茶漬けセット 3300pt
・鯨セット 4000pt
などなど、選びがいのあるラインナップを揃えている。
「自分の懐を痛めずに特産品がもらえて、地方の活性化にもつながる。そこから生まれるコミュニケーションもある。ふるさと納税は本当、いいことずくめです。手間なんてたいしてかからないので、ぜひ皆さんも始めてほしいですね」
<金森氏が実際にGETしたふるさと納税の戦利品の一部>
●A4、A5ランクの十勝ナイタイ牛 上士幌町(1万円)
●宮崎の名産マンゴー「太陽の卵」 綾町(1万円)
●地ビールは、飲み比べが楽しい! 米子市(1万円)
【金森重樹氏】
企業グループオーナー。年間200か所、300万円以上を寄付するふるさと納税の達人。4月中旬に出版された本邦初のふるさと納税ガイド本『100%得をするふるさと納税生活』では、ノウハウからお得な自治体まで完全網羅している
取材・文/ふるさと納税推進委員会 図版/moshimoshipeach
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