吉田 恒氏
2014年も半分以上が終わったが、1-6月のドル/円は100.7-105.4円で推移し、最大値幅は4.6円程度にとどまった。これは、少なくとも2000年以降で確認したところでは年前半の最小値幅。歴史的小動きにもう一つ、「最も小動きだった年前半」という記録が加わった。
ドル/円の年間値幅の最小は2011年の9.9円。また2012年も年間値幅は10.6円にとどまった<
資料参照>。ただ、そんな2011-2012年でも、6月までの年前半の値幅は8-9円程度になっていた。
資料「ドル/円年間値幅の推移」(*注.2014年のみ1-6月の値幅)
年前半の値幅だけなら、2003年はより小幅にとどまった。これは、当時円高阻止へ空前の為替介入を行った影響が大きかっただろう。それにしても、この2003年も、そして上述の2011年の場合も、円高阻止のための介入といった、ある意味では「管理された相場」が小動きになったのは理解できる気がする。今年前半の小動きは、とくに管理されたわけでもないのに、空前の小動きになっている点が特徴といえる。
ではこの小動きは、年後半も続くのか。それでも、さすがに年間の値幅がこれまでの最小、10円程度には拡大するなら、それが目一杯円高方向なら95円程度、逆に目一杯円安方向なら110円程度がある計算にはなるが、果たして?(了)
【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に
『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など
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