割安で売られる電子マネーを供給しているのは、冒頭で触れたような詐欺グループだけではない。
「すぐに現金が欲しいけど、理由があって消費者金融から借りられない人って、結構いるんです。家族に知られたくないとか、警察官だから職務規定的にまずいとか。こうした人がクレジットカードを使って与信を現金化する。その際、かつては新幹線の回数券などが使われていたのが、今は電子マネーが主流になっているわけです。業者や現金化したいキャッシュの量にもよりますが、電子マネーのギフト券をネットで購入し、転売すれば一般的には85~90%の還元率になります。買い取り業者は『95%で高価買取!』などと謳っていますが、実態は『100万円あったら10万円分を95%で。残りの90万円は85%で』といったケースが多い。基本的にこうしたスタイルだと心得るべき」(一之瀬氏)
一般的に売買される電子マネーの相場は、別表にまとめた通りだ。差益は業者の取り分となるわけで、右から左に流すにしては取りすぎな感も否めない。
とはいえ、「この手法は他にある現金化と比べるとそれなりに優れた数字」と一之瀬氏は評価する。
⇒【資料】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=111588
電子マネーの売り買い相場表
「ある大手質屋グループでは高級時計をクレジットカードで買わせ、それを別フロアにある買い取り部門に持っていかせる“現金化”を黙認しています。これだと80%前後にしかならない。逆に、最も賢いのは20万円程度の上限付きですが、ある外貨両替サービスを利用して現物のドルを購入すること。この方法では98%前後で円に換金できるうえ、条件によってはマイルが付くこともあります」