与沢翼はなぜ秒速で転落してしまったのか?――すべてを告白する

与沢翼氏

与沢翼

 高級外車を乗り回し、高級マンションに住む。毎晩、六本木の夜を闊歩しては、札束をまき散らしながら大勢の美女と浴びるほどの高級シャンパンを飲む。「ネオヒルズ族」と称され、31歳にして絵に描いたようなバブルな世界を体現していた男――それが、与沢翼だった。  しかし2014年4月26日、自身のフェイスブックとブログで「経営危機のご報告」と題したエントリーを投稿し、税金の滞納により会社が経営破綻寸前になっていることを告白。ネットニュースをはじめ、さまざまな媒体で報道され、大きな話題となったのはご存じのとおりだ。 「あのときは、『ざまあみろ』『思ったとおりだ。あいつはやっぱり悪いことをしていた』『与沢翼は、もう終わりだな』――そんな世間の声が聞こえてくるような気がしました」と当時を振り返る与沢翼氏。「秒速で1億稼ぐ男」と言われているのに、なぜ3億円の税金が払えなかったのか? 「“与沢翼”が高級外車を乗り回し、一等地の高級マンションを借り、華やかな女性たちを伴って豪遊し、それをメディアに取材してもらうことでウェブサイトへのアクセスが集まり、会社は増収していったのです。“金持ちの与沢翼”“成り金の与沢翼”だからこそ、世間は私に注目をしてくれていました。恥ずかしい話ですが、すべてのお金は“与沢翼”という像を作るために使いました。あの頃はもう、後戻りはできなかったのです」  会社を維持するためには、“与沢翼”というシンボルでい続けなければならなかったというのだ。 「しかし役員らの別れや、数年来ともに過ごした恋人との別離、3億円にものぼる税金の滞納と厳しい徴収、そして会社倒産の危機……。たくさんの挫折が『私は間違っていた』と教えてくれました。何度も『もうダメだ』『今、ここから逃げ出せたらどんなに楽か』と考えましたが、逃げてはいけないと思ったのです。私の愚かな過ちを戒めるためにも、これまでの失敗や悪行、すべてをさらけ出し、徹底的に恥をかき、反省したい。そして、世のみなさんのお叱りや批判を受けたいと思う。そうすることでしか、きっと私は前に進めないのだから」 <取材・文/横山 薫 撮影/山田耕司>
告白 秒速で転落した真実

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