’14年後半の動きに注目。年金運用機関GPIFとは?

米ニューヨークダウが史上最高値を更新するなか、日経平均株価は足踏みを続けている。株価の面で注目される企業はどこか。金融の第一線で活躍するプロが、最も注目するメルマガとして知られる「闇株新聞」を直撃した。 ――ずばり、今年後半の日本株のポイントは? 「昨年は日銀による異次元金融緩和(量的緩和)がすべてだったのですが、今年後半は年金積立金管理運用特別行政法人(以下、GPIF)による日本株組み入れ比率の“異次元引き上げ”がすべてです。  法人減税も少しは影響するかもしれませんが、追加の異次元量的緩和はあったとしても昨年ほどの効果はなく、成長戦略には全く期待できません。つまりGPIFが日本株の組み入れ比率を“異次元”に引き上げないと、今年後半はあまり期待できないことになります。そもそも国民の大切な年金基金を株式などリスクのあるもので運用してよいのかとの議論がありますが、世界の年金基金は自国の株式運用が中心で、世界標準に近づけるだけです」 ――GPIFとはどんな性格を持つ団体なのですか?
米沢康博

日本の公的年金を運用する独立行政法人・GPIFの運用委員長を務める米沢康博・早稲田大学大学院教授。約129兆円と世界最大規模の運用資産を誇るが、その手腕は疑問視されている

「昨年末で128兆円の運用資金を持つ世界最大の年金資金です。資産構成割合は、国内債券(国債が中心)が55%、国内株式が17%、外国債券が11%、外国株式が15%、短期資産が2%となっています。  ここで仮に国内株式比率を倍増の35%まで引き上げれば、単純計算で22兆円の資金が日本の株式市場に流入するだけでなく、国内機関投資家、個人投資家、何よりも外国人投資家の日本株に対する評価が一変し、株価に対しては想像以上のインパクトとなり、結果的に国民の年金資金が増えることにもなります」 ――ただ、米沢康博委員長は「国債を売り、国内株の上限を上げると同時に外国債や外国株に振り向ける」と発言しています。 国債利回り「はっきり言って素人です。円安になるわけでもない状況下で、史上最高値圏の米国株式や利回りが低下した世界の債券、いまさらの新興国などの海外資産に国民の大事な年金資金を振り向けるほうが、よっぽどリスクです。国債を売ると言っていることも驚異的に無神経。国債が中心のGPIFの資産を真っ先に痛めることになります。  またせっかく日本株の上限を引き上げると言っているものの、いかにもいやいやながらで、株価へのインパクトを自分で消してしまっています。  現時点のあるべき資産構成は、国内債券が変わらずの55%、国内株式は倍増の35%、外国株と外国債券は半減以下の10%と考えます。これをベースに調整していけばよいのです」 ――株式市場に影響が大きい円相場の予想はどうですか? 「為替については、1年半続いた円安トレンドは終焉したと考えます。が、すぐに円高になるとも思っていません。少しでも円高になれば外貨買いのチャンスと喜んでいたところから、少しでも円安になれば外貨売りのチャンスと考えるように、頭を切り替える必要があるといったところです。  それでもしばらくは少しでも円高になれば条件反射のような円売り・外貨買いが出てきます。その中心は日本人投資家で、これはあまり良い兆候ではありませんが、それもあってすぐに急激な円高になることはありません」 ――1年半も続いた円安トレンドが終焉したと思う理由は? ドル/円の推移「FRBの量的緩和終了で米国経済の見通しが微妙に悪化して米国長期金利を下落させる可能性がある一方で、日本の長期金利はさすがにこれ以上低下しないため、結果的に米国長期金利の低下幅が日本より大きくなることによるドル安・円高。もう一つは日本に経常収支が改善する兆しが見え始めていることです。でも当面は日本株に悪影響を与えるほどの円高にはなりません」 ――東京オリンピックは株価に好影響を与えるのでは? 「オリンピックの経済効果を口にする人がいますが、これはコストのことで、ハコもの中心の公共投資と同じです。従って株価への影響も限定的です」 ― [闇株新聞]速報【1】 ―
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