ボロボロの屋敷、無賃労働、村八分……夢が打ち砕かれる”地域おこし協力隊の闇”

地域おこし協力隊はヒエラルキーの一番下

 中国地方に赴任したBさんは、やる気満々で行ってみたら仕事がなかったというクチだ。地域おこし協力隊としての仕事で募集がかけられていたにも関わらず、である。 「仕事? 村役場の仕事を手伝うという前提でしたが、都会から来たそこそこの社会人が働くような職務はないんですよ。その上、役場の中じゃ地域おこし協力隊は自分たちの仕事を増やす厄介者としか扱われませんでした。もちろん本人のキャラクターもありますが、何かしようと思い立っても協力してくれる人がいない。役場は目新しいことは地域おこし協力隊にやらせない。『お金がないから無理』と必ず言われます。地域支援員という名前で村を車で視察するだけです。若者なら用事も頼みやすいけれど40過ぎた男性が移住しても針のむしろですね」 “田舎の村を俺たちが変えてやる”というドラマのイメージで広がった地域おこし協力隊。ほんの少しの成功例は大きく報道されるが、うまくいかなかった事例は広がらない。仕事どうのこうのよりも、田舎に若者が来るだけで役場も地元も満足してしまい、それ以外には求められていないのが実態なのだ。 「右も左もわからないから聞きたいのに、『面倒を起こさないでくれ』としか扱われない。役場の職員、役場のパートの下、移住しただけで役場に就職したわけではないと思っていますが、給料は国から出るけれど、他の管轄は村役場。役場のアルバイトと同じ扱いになり、保険証とか年金が適用されます。でも田舎では役場で働くにはコネがないと無理。だから役場全部が身内みたいなんですよ。そこにコネもないヨソモノがぽつんと 入ってみたらどんなことになるかあなたにだってわかるでしょう?」  中には、役場の職員に好かれようと、自分の勤務時間をすぎても職員の仕事を夜中まで手伝おうとする人もいる。ただ働きさせられても役場では依然として一番下の階層のままだが、そこまでしてやっと役場の人に心を開いてもらえるという。当然、協力隊メンバーが仕事を手伝ったとしても無給である。  悲しいかなこうした「地域おこし協力隊はボランティアなんで何でも手伝ってもらえる」という雰囲気を悪用するブラック自治体は多数存在している。村にしてみれば、無料の働き手。結局、Bさんは3年間仕事らしい仕事もなく、成果を出せず、この8月に3年の期間が終了。東京に戻るそうだが、40近い年齢で3年のブランクの再就職は難しい。  夢と希望にあふれた「田舎でのんびり暮らす」のキャッチフレーズで募集されている地域おこし協力隊制度。蓋を開いてみれば、ブラック自治体のやりたい放題になっているのは衝撃的だ。 <取材・文/小手平走歌>
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