福島県富岡町、全町避難の住民が立ち上げた「復興メガソーラー」

 福島第一原発事故から5年半。原発から数km先にある福島県富岡町は、いまも全町避難を強いられ、町民は全国各地での避難生活が続く。そんな中、住民の主導で太陽光発電プロジェクトが立ち上がっている。

農作物が作れなくなった土地を有効活用したい

写真はイメージです

 メガソーラー(大規模太陽光発電所)建設が予定されているのは、原発から7kmという距離にある農地だ。プロジェクトの発起人である遠藤陽子・道仁夫妻は、代々受け継いできた農地で、放射能の影響により農作物が作れなくなったことに心を痛めていた。 「地域の将来のためにこの土地を有効活用したい」  そう思って行きついたのがこの発電プロジェクトだった。  現在、同じ福島のいわき市に避難している夫妻は、専門家などに相談するうちに、自分たちの土地だけではなく周囲の農地を持つ人たちにも声をかけて大きな事業にしようと構想する。  そして遠藤夫妻は、東北から関東、四国まで日本全国に散らばって暮らす40世帯近い地権者をおよそ1年かけて訪問。プロジェクトの賛同者を募ることになる。

建設予定地には除染土が入った袋が数多く並んでいる

 やっと居所を探し当てても、最初は怪しまれて門前払いにあうこともあったという。そんな中で富岡町の議員から協力を取り付けて信用されるようになり、徐々に賛同者が増えていった。  賛同するようになった地権者たちには、地域の将来に対する不安があった。そして、避難が解除されると他の農地と同様に税金がかかってしまうという問題もあった。農業ができないのに、税金や維持管理費をどう支払っていけばいいのか? そんな状況で声をかけられた発電事業に関心が集まるようになった。
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売電収益を生活再建と地域の未来のために
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