’17年のOECD開示でオフショアはどう動くのか? また、仮想通貨は?

仮想通貨詐欺も急増。今後の展開はどうなる

 ところで仮想通貨についてはどう考えるのか? パナマ文書が公表されたことで、新たなタックスヘイブンとして仮想通貨を購入する人々もいた。仮想通貨はオフショアカンパニーから現金を引き出したり、投資に使われやすいが、基本的に不安定性が高い代物だ。 「以前話題となった世界最大の闇サイト『シルクロード2.0』では、殺人、麻薬取引、犯罪性資金の決済にビットコインが用いられていました。単にシステム上にしか存在していないため、いつ消えてしまうかもしれないシロモノであることは変わらない」  三菱東京UFJ銀行が導入を予定している「MUFGコイン」については、「よく誤解されているようですが、それは仮想通貨ではなく決済通貨ですね。1コイン=1円で固定されたもので投資商品ではなく利用者同士の清算や送金に使うためのものです。イメージとしては、Suicaなどの電子マネーに近い感覚のものでしょう。そもそもこの動きには銀行の大規模な勘定・決済システムを使わずに、小口の取引を低コストのシステムで管理しようという意図があります。どう考えてもアングラマネーの受け入れや犯罪性のある取引の決済には使えないため、爆発的に拡大することもなさそうです」という。  このような不安が錯綜する背景には、仮想通貨詐欺が昨今、急増している事情がある。香港の仮想通貨取引所「Gatecoin」ではサイバー攻撃により、200万ドル(約2億1762万円)相当のトークンを損失、台湾では30万ドル(約3264万円)相当のビットコイン詐欺を行った男が逮捕された。日本でもオレオレ詐欺の一種だが、岐阜県の70代女性が仮想通貨の購入持ちかけで1億1千万円騙し取られた事件もある。  世界的に爆発的人気を呼んでいる「ポケモンGO」内の仮想通貨「ポケコイン」を対象にした詐欺サイトもすでに乱立しているという。 【闇株新聞】 ’10年に創刊。大手証券で企業再生などに携わった経験を生かして記事をアップし続けるWebメディア。金融関係者などか注目を集める <取材・文/HBO編集部>
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