世界シェア90%超! 手書き入力技術のトップランナー

「特定のユーザー層に支えられている」というニッチな分野ではあるが、日本市場・世界市場ともにシェア9割前後と圧倒的な企業がある。

 ペンタブレットの老舗メーカーであるワコムである。

 ペンタブレットとは、PCに電子ペンで入力する際、センサーによって位置情報や筆圧の情報を感知し、まるで本物のペンや筆で描いているかのような描き心地を実現するというデバイスだ。

ワコム製ペンタブレット『Intuos Draw CTL-490』

 同社はクリエーター界隈では知らぬ者はない存在となっているが、その土台はどのように築かれたのか?  広報部長の 菅野哲央氏に聞いた。

「設立は1983年。当初から『人とコンピューターの調和ある発展』というテーマの下、インターフェース機器の開発に従事していました。間もなく電子ペンを使った入力機器の利便性に着目し、1987年には最初のコードレス・ペンタブレットの製品を販売し始めたのです」

 当時のPCは、マウスやキーボードによるコマンド入力が主流であり、人類が何世代にもわたって親しんできた直観的な入力ツールであるペンが、コンピュータでも使えるようになるということは、実に革新的だった。

 さらに、写真・音楽・映像などの分野でデジタル化が始まっており、アナログの記録媒体がデジタルデバイスへ置き換わっていく黎明期でもあった(1994年に登場したデジタルカメラが25万画素という時代だ)。

 ターニングポイントは1990年。ディズニーからのオファーが届いた時だった。

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