杜の都・仙台で激しい競争に晒される「旧型イオン大型店」は生き残れるか?

駅前ライバル店とイオン新店との板挟み

 仙台市中心部の人の流れが仙台駅前エリアに向きつつあるなか、先述の総合スーパー「イオン仙台店」、そしてファッションビル「イオン仙台フォーラス」は、大手百貨店の「仙台三越」や地場百貨店「藤崎」などとともに中心商店街エリアを牽引する存在として、今後の「イオン流」(もしくはオーパ流)の店舗活性化に大きな期待が寄せられている。  こうしたなかでの、中心商店街エリアから徒歩圏にある東北大学雨宮キャンパス跡地でのイオン新店計画は、中心商店街の旧型イオン2店との自社競合を生み出すことになるうえ、中心商店街全体にも非常に大きな影響を及ぼすことは間違いない。

多くの人で賑わうフォーラスそばの「一番町商店街」。百貨店も立地する

 法規制強化などにより郊外大型店の出店が難しくなるなかで、仙台市では再開発地域における特例や開発者側の思惑、震災復興需要を追い風にする形で、それぞれ異なった業態や開発手段で3つの「復興・防災型イオン」を出店させようとしているイオングループ。  流石は小売業の雄と讃えたくなるようなしたたかさも垣間見えるなか、3つの新たなイオン大型店に取り囲まれつつ、中心部どうしでの熾烈な戦いに巻き込まれている「杜の都の商店街の顔」ともいうべき2つの旧型イオン大型店の処遇についても大いに注目されている。 <取材・文・撮影/都市商業研究所> 都市商業研究所 若手研究者で作る「商業」と「まちづくり」の研究団体。Webサイト「都商研ニュース」では、研究員の独自取材や各社のプレスリリースなどを基に、商業とまちづくりに興味がある人に対して「都市」と「商業」の動きを分かりやすく解説している。Twitterアカウントは「@toshouken」 ※都商研ニュースでは、今回の記事のほかにも下記のような記事を掲載中 ・西武百貨店、筑波西武・八尾西武を閉店へ-百貨店リストラに突き進むセブンアイJR尾道駅、建替へ。築125年の木造駅舎イオン「ウエルマート」全店舗、マックスバリュへの転換完了
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