Brexitの背景にある、イギリス国内のさまざまな「格差」

箱崎日香里

image by Elionas2(CC0 PublicDomain)

 いまだに揺れ続ける英国のEU離脱問題では、国内外を問わず様々なメディアが「なぜ英国民は離脱を選んだのか?」をテーマに分析をしている。その中で何度か話題に上っているのが、英国内で拡大している「格差」問題である。日本で格差というと貧富の格差というイメージが強いのか、経済格差の文脈のみで捉えられがちのようだが、英国内で論じられている格差というのは、それとは少し違っているようだ。格差とひとくちに言ってもここでは経済のみならず、階級、地方と都市、年齢、情報へのアクセスといった様々な要素が複雑に絡み合っている。

 EU離脱問題についての議論において格差がクローズアップされたのは、投票結果の詳細な統計が公表されてからのように思われる。投票後に各メディアが相次いで公表した統計データでは、残留派に多い特徴として「若い」「都市圏在住」「高学歴」、離脱派に多い特徴として「中高齢」「イングランドの地方在住」「高等教育を受けていない」といった傾向が読み取れる。これを受けて、直後には一部の残留派から「学識のない中高齢者たちがメディアに踊らされた」という感情的な意見も聞かれたが、より冷静な人々は、これは英国で人口の多くを占める労働者階級の不満を見過ごしてきた結果ではないかと指摘している。

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割りを食った「労働者階級」

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