このG5首脳会談に出席したオバマ大統領は〈アフガニスタン、イスラム国、シリア、ウクライナのそれぞれ問題は「ドイツなしには(解決が)不可能であった。(ドイツとの)この関係は私の大統領としての職務中で最も重要な関係のひとつだ」〉と述べた。(参照「
ABC」)
またオバマ大統領が〈この数年間、ヨーロッパにおける重要な問題を相談する際に電話をする相手はいつもメルケル首相〉だったとしている。そして、〈テロとの戦いで鍵を握る同盟国としてフランスが米国に信頼される国〉となっている。問題は〈両国が嘗て米国が英国に与えていたような影響力を発揮出来るか〉ということである。(参照:「
El Pais」)
なにしろ、ブルッキング研究所のフイオナ・ヒル部長が指摘しているように、〈英国はこれまで米国にとって政治、経済、安全の各テーマを含めた広い範囲の中で共通の観点をもってヨーロッパの中で錨のごとく〉重く深く食い込んでいたのである。(参照:「
El Pais」)
問題はドイツとフランスが英国に代わってどこまで米国と同盟関係を維持出来るかということである。
<文/白石和幸>
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。