テンプHDはなぜ認知度の高いブランド名をあえて変えるのか?

 6月30日、総合人材サービスのテンプホールディングスが、7月1日からグループブランドを新たに「PERSOL(パーソル)」とすることを発表した。新グループブランド名の由来は、「PERSON=人の成長を通じて」と「SOLUTION=社会の課題を解決する」という言葉を組み合わせた造語で、「人は仕事を通じて成長し、社会の課題を解決していく。だからこそ、働く人の成長を支援し、輝く未来を目指したい」という。

テンプホールディングス株式会社代表取締役社長CEO水田正道氏による新グループブランド発表会

「テンプ」といえば、1973年の創業以来、派遣事業のなかで代名詞的存在になっており、その浸透度はかなりのもの。確かに、同社は人材派遣に留まらず、中途・新卒採用を手掛ける企業も傘下に収め、総合的な人材サービスを提供するようになっているが、極めて高い浸透度を持つ「テンプ」の名前を冠するグループ名からあえてまったく新しい名称にする狙いは何なのか?

「現在、日本の雇用環境は労働力人口の減少や規制・法制度の変化、さらには産業構造の変化に伴う成熟産業から成長産業への労働移動やテクノロジーの進化とさまざまな要因が重なり、『労働市場のミスマッチ』が起きています。その中で、当社は派遣事業のテンプスタッフ以外にも設計・研究開発の日本テクシード、そして転職支援サービス「DODA」やアルバイト求人情報サービス「an」を運営するインテリジェンスなど、人材派遣のみならず新卒・中途採用支援、アルバイト・パート採用支援、ITアウトソーシング、設計開発等、幅広い領域にて事業を展開しています。

 しかしながら、それらの事業がまだ『1つのグループ』として認知されていないという現状がありました。そんな中で、われわれは日本の労働市場が抱える課題解決に取り組むべく、『1つのグループとして個人や法人のお客様から認識されること』に総力をあげて向きあおうと思ったのです」(テンプホールディングス株式会社 代表取締役社長 CEO 水田正道)

労働市場の課題にグループ総力で取り組む

 もともと「テンプスタッフ」は、創業者である篠原欣子氏が1973年にオーストラリアで知った人材派遣業にヒントを得て立ち上げた会社である。帰国後、篠原氏自身が活躍できる職場が見つからず、女性の活躍できる職場を作ろうという思いで起業したという。

「今回、新たなグループブランド『パーソル』を発表しましたが、これは決して過去のイメージからの脱却を目指しているわけではありません。むしろ、労働市場の課題に取り組もうとした創業者、篠原の理念に立ち返って、グループの総合力を結集し取り組んでいこうという意志の表れです」(テンプホールディングス グループ経営戦略本部 本部長・曽根誠人氏)

テンプホールディングス グループ経営戦略本部 本部長・曽根誠人氏

テンプホールディングス グループ経営戦略本部 本部長・曽根誠人氏

 同社は、「テンプスタッフ」、「DODA」、「an」等のサービスブランドは活かし、引き続き個人と法人・組織へのサービスを強化するとしているが、今後2018年をめどにホールディングスを含むグループ主要会社の商号に新ブランドを活用することも視野に入れ、グループ総力をあげて新ブランドの認知度を高めていくという。

 社会や環境変化により新たなフェイズを迎えた日本の労働市場に山積する課題--労働力不足への対応や、日本に適した同一労働・同一賃金の実現、最適配置・適材適所による生産性の向上、女性やシニアの新たな働き方の提案--に向けて、グループ名称を新たにする「PERSOL(パーソル)」がどのように取り組んでいくのか。注目していきたいところだ。

<取材・文/HBO取材班 撮影/菊竹規>

提供:テンプホールディングス http://www.temp-holdings.co.jp/

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