ハリウッドセレブiCloud流出ヌードの価値を損害賠償額から考えた
先週9日に発売予定だった写真週刊誌『FLASH』9月23日号を、急きょ発売中止とすることが、発売日前日に発行元の光文社から発表された。同社は「一部の記事に不備があった」とするものの、「世の中に出ない雑誌なので、どこに不備があったかについては、コメントを差し控える」としたが、雑誌の世界で差し止め請求を受けて回収するということは時折あるものの、発売直前に自主回収というのは非常に稀なケースなだけに、業界内外でさまざまな憶測を呼んだ。
しかし、ネット上の肖像権に詳しいみずほ中央法律事務所の三平聡史弁護士は、次のように語る。
「むしろ私はよく発売しようとしたなと思いますよ。日本の民事訴訟でも一人当たり数千万から億単位の損害賠償額になる可能性は十分ありますから」
名誉棄損による商品価値の低下、精神的苦痛のほか、無断転載による肖像権侵害やプライバシー侵害、記事の顧客吸引力が認められればパブリシティ権侵害、さらに今回の流出写真は主に自撮りなので、著作権侵害で訴えることも可能なのだという。
本人の有名度や、本人のセキュリティに対する落ち度の有無などによって、過失相殺で減額されることはあるものの、映画一本で数億円のギャラを手にする女優などの場合、損害を合算すれば億単位の賠償額になっても不思議ではない。
さらには刑事罰に問われることも。ヌードを掲載された一人、ロンドン五輪の体操団体の金メダリストのマッケイラ・マロニーの場合は17歳時の写真ということで、「児童ポルノ禁止法」に引っかかる可能性があるという。また、ドラマ『gree』で有名になったメリッサ・ブノワの写真は完全な“ハメ撮り”で、わいせつ図画頒布の罪にも問われる場合もある。
雑誌の存続に関わるような、これほど危険なものを世に出そうとした蛮勇はある意味すごいが、最後の最後で中止したことはやはり正解だったと言えるだろう。 <取材・文/杉山大樹>
そこで大方の意見の一致を見たのが、「海外セレブ美女プライベートSEX写真スキャンダラス流出!!」という8ページの袋とじ特集だ。アップル社の情報サービスiCloudのアカウントがハッキングされ、オスカー女優のジェニファー・ローレンス、『スパイダーマン』で知られるキルスティン・ダンスト、トップモデルのケイト・アプトンといったハリウッドセレブたちとされるヌード画像がネット上に流出して話題となったが、この写真をモザイクなしで本人と特定して転載したもので、この記事に対する名誉棄損などの損害賠償請求を恐れて自粛したのではとされている。
ただ、訴訟地は日本でということになる。ご存知のように、日本ではアメリカのような高額損害賠償判決は例がなく、判例のほとんどがせいぜい100万円単位。ハリウッドセレブたちにとっては“はした金”にしかならないのに、彼女らがはるか太平洋の彼方で裁判を起こすものだろうか? 仮にそのまま発売しても、それほど大事にはならなかったのでは。
日本国内の訴訟でも賠償額は1人億単位?
ハッシュタグ