シェア拡大!「Windows XP」がいまだ愛されるワケとは?

winXP_ロゴ マイクロソフトによる公式サポートが終了してから間もなく2年が経とうとしている「windows XP」が、ここに来てシェアを伸ばすという珍事が発生している。後継となるバージョンが次々に登場しているにもかかわらず、何故WindowsXPはシェアが伸びたのか? そして、なぜここまで愛され続けるのかを検証していくことにしよう。

ここにきて再びシェア拡大!?


winXP_シェア

出典:Net Applications

 調査会社「Net Applications」の調査によると2015年の12月現在、全世界で利用されているパソコンのうち約9割のパソコンがWindowsを搭載しているという結果となった。その中でもっともシェアの高いのがWindows7で55.68%、それに続くのがWindows XPで10.93%のシェアを持つ。以下に、Windows8.1とWindows10が10.3%、9.96%という形で追従している。

 Windows10がリリースされた7月以降、着実にシェアを伸ばす一方、Windows7やXP、8などのOSがシェアを落とした結果、Windows7以下のXP、8.1、10が団子状態のシェア争いを演じている形となっている。ここ数カ月のWindows XPシェアだけに注目すれば、2位と3位を繰り返す推移を見せているが、2015年の11月に3位へ転落したものの、翌月には再び2位に返り咲いている。

 Windows XPは、すでにサポートが打ち切られたOSであるため、新規利用者が増えることは無い。シェア拡大の要因は、利用者が増えたのではなく、単純にWindowsを利用しているユーザーが減り、Mac OSをはじめとする他のOSのシェア拡大とWindows10のシェア拡大に伴うWindows7や8/8.1のユーザーが減ったことが要因と考えても良いだろう。

winXP_シェア推移

出典:Net Applications

サポートが終了したのにまだXPが使われるワケ


 Windows XPは、2014年の4月に公式サポートが打ち切られたため、新たな不具合やセキュリティに対する対策が提供されないほか、新規インストールしても更新プログラムの適用すら行うことは不可能。使い続けるにはリスクがある。しかし、そのような状態なのになぜ発売から15年、サポート終了から2年という年月が経ったOSを利用し続けるユーザーがいるのだろうか?ここでは、その理由を探ってみる。

理由その1:単純にXPは使いやすい!


 もともとWindowsは、家庭用向けのWindows95や98系とビジネスユース向けのWindows NTや2000といったふたつの系統が存在していたOS。このふたつを統合した初めてのOSがWindows XPだ。いわば双方の“いいところ取り”を実現し、家庭でもオフィスでも同じ環境で利用できる画期的なOSとして注目を集めた。さらに、どちらのOSから乗り換えても操作方法がほとんど変わらずスムーズに使いこなせるのもXPの特徴だった。

 また現在は、周辺機器をUSBポートに差し込むだけで利用できるケースがほとんど。しかし、当時はドライバを使って周辺機器システムに認識させないと利用できないケースも多く、OSのバージョンによって使える機器が限られることも珍しくなかった。しかしWindows XPは、その爆発的な普及に伴って周辺機器メーカーが即座に対応を見せ、利用できる機器が充実したことで利便性も大幅にアップ。一躍、トップシェアを誇るOSへと登り詰めたのだ。

 後継のOSは、その後リリースされるが、パソコンが急激に普及した時期でありながら後継のVistaが登場するまで5年近くもの年月を要したこと。そして、その間にパソコンを使い始めたユーザーがXPの操作に慣れてしまっていたこと。さらに、操作性を大きく変更したVistaの使い勝手が悪く、乗り換えが思うように進まなかったこと。これらの理由が、今日でもXPを使い続けるユーザーを生んだと言ってもいいだろう。

winXP_メニュー画面

スタートメニューから主要な機能にアクセスできる定番スタイルで扱いやすさも抜群。後継OSは、このスタイルに慣れたユーザーに取っ掛かりにくい印象を与えた。

理由その2:利用しているパソコンが古くて後継OSが動かない


 Windows XP標準搭載パソコンが発売されていたのは、マイクロソフトがOEM供給をストップした2008年まで。最後に発売されたモデルですら8年以上の前の製品となるため、現在のパソコンと比較するとスペックは比べ物にならないほど低いケースがほとんど。そのため、Windows7や8といったOSの動作条件を満たさないマシンもある。Webやメール、簡単な文書作成程度の操作ならパソコンを買い替える必要もなく、Windows XP搭載機で十分というユーザーも少なくない。

理由その3:企業ユースの場合は、個人の一存では変えられない


 小規模な事業所の場合、事務処理が中心で最新のPCが必要なくXP機で十分使えるといったことや、パソコンを一新すると業務に利用する特殊な周辺機器を再設定したり新たに購入が必要になったりするケースもあるため、乗り換えないケースもある。

理由その4:国外では政府や企業が個別にサポート契約を行っている例もある


 国外の一部地域では、行政機関や大手企業が2014年の公式サポート打ち切り以降も、個別にマイクロソフトと契約を結んでサポートを継続しているケースがある。これには多額の必要が掛かるが、後継のOSに対応したシステムや業務用の機器の開発が追い付かないといった理由から契約に至るケースがある。

 特に行政が絡む契約ともなれば、数十万台といった規模に及ぶことも珍しくない。なお、現在も契約を行っている地域も、継続して利用するというよりは、後継システムの整備が整うまでの“繋ぎ”として利用しているケースがほとんどのようだ。

今後どうなる!? XPのシェア


 Windows XPがいまだに利用され続けている現状だが、今後新規ユーザーが増えることはまず無い。加えてWindows10の無償アップデートが開始されるなど、乗り換えの時期は確実に迫っていると言えるだろう。パソコンの低価格化に拍車が掛かるいま、スマートフォンよりも安く買えるパソコンですら必要十分、いやそれ以上の性能を持っていると言っても過言ではない。

 Windowsは、アップデートによって安全性や快適性を向上させるOS。そのサポートが打ち切られた以上、新たに登場するウイルスをはじめとする脅威から身を守ることが難しくなっているのは言うまでもない。Windows史上に名を残す“名OS”であることは間違いないが、個人情報の流出やパソコンの乗っ取りによる“なりすまし”と言った事件が続出しているいま、高まるリテラシー意識に対応するためにも、最新のOSに乗り換えることが強くオススメしたい。<文・図版/古作光徳>

【古作光徳】
パソコン関連誌の編集部を経て、2006年にライターとして独立。主にパソコンやスマホ、家電関連誌などを中心に活動中。近年は車やバイク、将棋など、趣味関連誌の執筆や編集にも携わっている。


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