億超え投資家[株放談]2016年のテーマとは?

アメリカの利上げを経て迎えた’16年相場。「未辛抱、申酉騒ぐ」の相場格言どおりならば、上にも下にも大荒れする可能性あり!? トータル資産7億円超の億超え投資家たちが注目テーマと銘柄を洗い出した!

今年のテーマは「法人税減税効果」「原油安」「含み資産」だ!


新春 ついに新春相場へ突入! 昨年はチャイナショック、米利上げに加え、日本郵政上場など注目材料が目白押しだったが、億超え投資家たちは’16年相場に向けていかなる戦力を練っているのか? IPO投資を得意とするサラリーマン投資家JACK氏、日本株への投資で築いた資産は2億7000万円のかぶ1000氏(以下かぶ)、日本株のほか、ベトナム株やREITなど手広く手掛けるwww9945氏(以下9945)に集まってもらった。

JACK:まずは去年のパフォーマンスから行きましょうか。私は最低ノルマの1000万円を達成できたので御の字。IPOだけで700万円弱とれました。

かぶ:私は配当と合わせて4500万円くらいですね。チャイナショックはありましたが、下値も限定的だったので順調でした。ただ、信用取引をやっている人はツラかったですよね、9945さん。

9945:チャイナショック、まともに喰らいました……。去年のパフォーマンス、10年ぶりに日経平均を下回って利益は1000万円弱にとどまりました。

JACK:あのとき、バリュー投資家は「安く買うチャンス! もっと下がれ!」と願っていたと思うんですが、信用取引を行っていた人は気が気でなかったでしょう。

9945:日本株を現物で1億7000万円、信用で1億2000万円、合計3億円近いポジションを持っているので、日経が5%動けば資産は1000万円以上ブレる。資産が増えたのは嬉しい半面、値動きが気になり落ち着かない。

かぶ:8月下旬以降は先物主導で相場のブレが大きくなりましたよね。外国人投資家の動き方次第で日経平均が大きく動く。

9945:深夜、トイレに起きてもつい日経先物を見ちゃう。そこで600円ほど落ちていようものなら、もう寝れないですよ。2億5000万円あたりまで資産が増えたので40代独身男性が暮らすにはもう十分。1月末には信用口座を閉じようかと思っています。

かぶ:信用取引は私も使っていますが、タカタを1万株買っているだけです。逆日歩(通常の信用取引では買い方が金利を支払い、売り方が金利を受け取るが、売り物が多すぎて金利が逆転すること)がついているので信用口座で買っていますが、逆日歩がなくなれば現受けするつもり。タカタはエアバッグ問題で800円台まで売られましたが、EV(企業価値)/EBITDA(利払い前税引前償却前利益)倍率が1・1倍と相当割安な水準。増資はあっても潰れることはないと踏んで、2年をめどに倍の1600円程度まで戻ると期待しています。もし会社が潰れたら僕の負け(笑)。

JR九州や自動運転のZMPのIPOに期待


JACK:今年は地合いが悪そうな気がします。アベノミクスの材料も出尽くしでしょうから1万5000円台は覚悟しています。去年までに利食ってしまったバリュー株や高配当株を拾い直していく1年になるのかなというイメージ。

’16年日経平均予想は3者3様

JACK氏はアベノミクスの材料出尽くし感から弱気予想。かぶ1000氏はボックス予想で、9945氏は"希望込み"の強気予想に

9945:私は逆。来年の消費税10%への引き上げを控えて安倍政権もそれまではなりふり構わず相場を支えるでしょうから2万3000円を目指す。期待込みのシナリオです(笑)。郵政3社のIPOのようなインパクトのあるイベントがあればいいんですけどね。

JACK:IPO関連で言えば今年の注目はJR九州、自動運転のZMP、それに郵政3社の第二次放出でしょう。去年のIPOはどれも好調でしたから期待したい。

かぶ:今年の見通し、私はJACKさんと9945さんの中間ですね。上下に大きくブレながらも基本的にはボックス相場。上がる銘柄・下がる銘柄の選別が進む1年になるかなと。政策では法人税減税が株価に直結しそう。法人税が減税されれば業績が横ばいでも純利益が増えます。税制優遇制度を上手に活用している商社や大手メーカーは避けて、税引き前利益と純利益に開きのある節税の下手な銘柄を狙っていこうと考えてます。

9945:コーポレートガバナンスコードなどの導入で配当性向を高める会社も増えていますから、利益が増えれば配当も増える。

かぶ:そうすれば大幅増配する銘柄が増える。低PBRの日新製糖を4年以上持っていたんですが、昨年11月に大幅増配を発表、2000円台から5000円へやっと跳ねてくれました。

JACK:会社四季報に「増配へ」「増配も」といったコメント、今までも注目していましたが、今年は増えそうですね。「○周年」といったコメントがあるときも「○周年記念配当」が期待できます。

9945:東海エレクトロニクスは配当がジワジワ増えているし、業績もめっちゃいい。ネックは市場が名証2部だということ。

かぶ:名証といえば岡谷鋼機。ここは規模から言っても、いつ東証へ鞍替えしてもおかしくない。ただ、IRの人と話した感触だと、どうも社長が名証にこだわりがあるようです……。

9945:あとは「原油安」は今年も面白いテーマになると見ています。アメリカが40年ぶりに原油輸出を解禁しましたからね。運送コストが下がるメリットを享受できる運輸会社、あとは石油加工品系の銘柄に注目しています。

JACK:オリンピック関連も再度物色されるかもしれない。アシックスやミズノあたりは株主優待もあるし、物色の手が伸びそう。

9945:私が期待するのは臨海部に不動産を持っている含み資産銘柄。乾汽船や丸八倉庫、安田倉庫などの含み資産株は上昇相場の最終局面で物色されることが多いので、そろそろ来てもおかしくない。

かぶ:私は勝どき、豊洲に土地を持っている巴コーポレーション。含み資産株ってどれも東京開催が決定した’13年に噴いたんですが、今は下がって開催決定前の水準近くまで戻しています。’20年が近づけば再上昇が期待できるかなと。

9945:私、かなりの部分が含み資産株なんですよね。配当も少ないし、早く噴いてくれないと運用効率が落ちるので困ります。もう眠れない夜は嫌ですから(笑)。

億超え3賢人が選んだ’16年注目銘柄!


・LED化政策が追い風に…オーデリック 【JQ・6889】
株価3770円 単元株数100株 予想PER 7.97倍 PBR 0.96倍
LED照明大手。政府が2020年をメドにすべての蛍光灯や白熱電球などをLEDに変更する方針を発表して値上がりしたが、まだ割安。昨年、自社株を20%消却するなど株主還元にも積極的

・含み資産再評価で妙味アリ…巴コーポレーション 【東1・1921】
株価376円 単元株数100株 予想PER 13.55倍 PBR 0.66倍
体育館などの大空間構造の建築に強みを持つ建設会社。東京・勝どきや豊洲など東京五輪特需が期待できる臨海エリアに土地を保有していることから、五輪に向けて再評価される可能性大

・超絶バリュー銘柄…横浜丸魚 【JQ・8045】
株価520円 単元株数1000株 予想PER 17.51倍 PBR 0.28倍
水産物の卸売りが主力。グレアムは流動資産から負債総額を差し引いた「解散価値」に2/3をかけた値よりも時価総額が小さければ割安と判断したが、同銘柄は1/2を下回る超絶割安株

・含み資産&原油安○…乾汽船 【東1・9308】
株価942円 単元株数100株 予想PER- PBR 0.67倍
一昨年、イヌイ倉庫と合併。勝どきに土地を所有する含み資産株。相場の最終局面が近づけば含み資産株の上昇余地拡大へ。本業の海運では原油安で船舶燃料が下落し利益率改善の可能性も

・減税&好業績で増配余地…岡谷鋼機 【名1・7485】
株価8420円 単元株数100株 予想PER 6.24倍 PBR 0.49倍
鉄鋼や機械の専門商社であり中部の名門企業。PER、PBRとも割安。配当利回りは2%弱だが、法人税減税と業績好調で増配余地あり。株主優待では米5㎏。東証への鞍替えはあるか?

・2016IPO期待!…ZMP、JR九州 etc.
ZMP上場/2月? JR九州上場/’16年度中 LINE上場/不明 スバイバー上場/不明
ZMPは自動運転技術で大注目の銘柄。JR九州は「過去のJR銘柄を見ても手堅く利益が狙える」(JACK氏)。LINEは上場中止状態。スパイバーは次世代バイオ繊維で熱視線を浴びる

【JACK氏】
http://www.jack2015.com/
サラリーマン投資家でありながら株やFX、不動産で2億4000万円もの資産を築く。IPO投資を得意とする。昨年12月には新著『百人百色の投資法 Vol.3』が発売

【かぶ1000氏】
http://plaza.rakuten.co.jp/kabu1000/
日本株への投資で築いた資産は2億7000万円。あのバフェットが師と仰ぐベンジャミン・グレアム流のバリュー投資を得意とし、現在20銘柄ほどの低位株を保有

【www9945氏】
http://plaza.rakuten.co.jp/www9945/
資産2億5000万円。一昨年会社を退職し専業投資家に。日本株のほか、ベトナム株やREITなど手広く手掛ける。バリュー投資のなかでも“テーマ”を重視する投資家

<取材・文/高城 泰(ミドルマン) ミューズグラフィック ※個別銘柄の株価等の指標はすべて’15年12月17日終値時点のもの>


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本日の日銀金融政策決定会合に注目

昨日のドル円は、105.391円で取引を開始した後、東京市場においては、米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明で具体的な利上げ時期が示唆されなかったことから続いていたドル安地合いが継続したほか、安く寄り付いた日経平均株価をながめ、104.63円近辺まで下落しました。欧州勢参入後は、日銀金融… [続きを読む]