プラザ前夜のドル高再来、米経済は許容できるか!?
2015.06.09
米ドルの総合力を示す実効相場の5年移動平均線からの乖離率は5月末にプラス21.9%となった<資料参照>。今回のように5年線からの乖離率が±20%以上に拡大したのは、1980年以降では2回しかなかった。1985年プラザ合意前と、1987年クリスマス合意前だ。
⇒【資料】はコチラ https://hbol.jp/?attachment_id=44502
プラザ合意は言うまでもないだろうが、主要通貨に対するドルの実質的大幅切り下げ合意だ。これが結果的に効き過ぎたようになり、やがて「止まらないドル安」となってしまう。これを受けて、「これ以上のドル安は必要ではない」として、ドル安是正で合意したのが1987年末のクリスマス合意だ。
この2つの合意の共通点は、現行水準が行き過ぎたものであるとして、単に止めるだけでなく「是正」で合意したということだ。ちなみに、プラザ合意は250円程度から200円割れまでドル高を「是正」することを目的としたとされた。一方のクリスマス合意は120円から125円以上へドル安の「是正」を目的としたとされた。
ドル実効相場の5年線からの乖離率が±20%以上に拡大した場合、過去においては水準是正が必要ほど「有害」との評価となった。さて、米経済はそんなプラザ合意並みに「有害」なドル高にも耐えられるほど強くなったのだろうか。(了)
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【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、投資情報会社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など
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