ネットショップ業界変革のとき 王者「Amazon」を猛追する「ヨドバシ」

 パソコンやスマホなどで、いつでも手軽に商品を購入できるネットショッピング。わざわざ店頭まで足を運ばずとも商品が吟味でき、指定した場所まで届けてくれる利便性から、忙しい毎日を送っている皆さんも利用することが多いことだろう。

 ただ、そんなネットショッピングの国内における市場が、いま変革のときを迎えている。というのも、絶対王者「Amazon.co.jp」(以下、Amazon)に、次点「ヨドバシ.com」(以下、ヨドバシ)が猛追しているのだ。

Amazonの地位を築いた「品数の豊富さ」「価格の安さ」「送料の無料化」


 そもそもAmazonが確固たる地位を築いてきた理由は、大きく分けて3つ考えられる。

 そのひとつは品数の豊富さ。家電製品や雑誌などの出版物、ファッション製品から食料品に至るまで、さまざまなカテゴリの商品を取り扱っており、総合小売サイトとして認識が高い。多くのネット販売業者を取り込んだ「マーケットプレイス」のECモール化も、その決め手だろう。「他のサービスになくても、Amazonならあるに違いない」と、ユーザーの信頼性は高い。

 二つ目の理由は価格の安さ。店頭販売よりもお手頃なのは言わずもがな、他サイトと比較しても安価な例が多い。消費者からするもっとも重要なファクターに懸命に応えているのだ。

 そして三つ目の理由に、送料の無料化がある。これはAmazonが販売・発送する商品に限り、300円(税込み)必要だった通常送料を、すべて無料としたもの。

 品数は多く、価格も手頃。そのうえ送料も無料と、王者たる所以はこれらにあると考える。

ヨドバシの使い勝手がAmazonを上回る勢い


 しかし、それら3つの要素をカバーしつつあるのが、猛追するヨドバシなのだ。

 まず、品数の豊富さについてだが、“ヨドバシ”というイメージで「家電製品だけじゃないの?」と思うかもしれないが、そんなことはまったくない。家電製品はもちろん、おもちゃやホビー用品、文具、家具・インテリア、ファッション、化粧品、カー用品、酒類、食料などと、Amazonに勝るとも劣らないラインナップとなっているのだ。加えて2014年には、産地直送有機野菜、鮮魚、医薬品の分野にも新たに参入し、今後は卵や肉類も取り扱う予定だという。家電のヨドバシではなく、何でも屋のヨドバシとして変化を遂げているのだ。

 次に価格の安さだが、筆者が無作為に抽出したさまざまな商品価格を比較したところ、現状はAmazonに分があるといえる。と言っても、ヨドバシも他の競合サービスのなかでは比較的安価といえ、かつ8~10%のポイント還元サービスも実施。これらを加味すると、Amazonと十分張り合えると判断してもいい。

 最後に送料の無料化だが、これは圧倒的にヨドバシに軍配があがる。何故ならAmazonの場合、マーケットプレイスでの注文にかかる送料は無料として扱われないが、ヨドバシは全商品が送料無料。冷蔵庫などの大型の商品から、シャーペン1本まで正真正銘、すべて無料なのだ。加えて「最短即日配達」や「指定日配達」も無料としている。Amazonにも「当日お急ぎ便」などのサービスを提供しているが、別途514円(税込み)が必要。ヨドバシはそれさえも無料なのだ。

 対応地域は関東、関西はほぼカバーされ、加えて北海道の旭川、江別、札幌、苫小牧の各市、宮城県、福島県、新潟県、山梨県、静岡県、愛知県、福岡県のほぼ全域に及び、その人口カバー率はじつに60%オーバー。しかも、今年2月より都内一部地域に限り、なんと注文後6時間での発送も行っている。この万全な発送サービスには、さすがのAmazonもかなわないのではなかろうか。

⇒【画像】はこちら http://hbol.jp/?attachment_id=42017

ネットショップ04

Amazonが販売・発送する商品に限り、通常送料はすべて無料。また「当日お急ぎ便」などの発送オプションも取り扱っているが、それぞれ追加料金がかかる。対してヨドバシは、取り扱う全商品の送料が無料で、「最短即日配達」などの各種オプションも無料となっている。

店頭販売店の強みを生かしたヨドバシのサービス


 ここまで、ネットショップとしてのヨドバシの優れた点を紹介してきたが、本来、ヨドバシは店頭販売店であり、まだ多くの人が店頭で商品を購入している。店頭販売店の良さは、言うまでもなく「手に取って確かめられる」点にある。ヨドバシは、この点もしっかりフォローしている。

 その具体的な方法が、専用アプリだ。アプリをダウンロード後、店頭商品に付いているバーコードを読み取ると、ヨドバシの商品ページに移れる。実際に店頭で商品の感触を試してから、あとでネットで買うという行動がシームレスに行えるのだ。

⇒【画像】はこちら http://hbol.jp/?attachment_id=42018

 いかがだっただろうか。安さに勝るネットショップが店頭販売店を隅に追いやる時代ではあるが、このように店頭販売店の良さを失わず、ネットショップと渡り合っている企業もあるのだ。

 本来は店頭販売店だったヨドバシがネットの利点を上手く取り入れたように、ネットショップで一強を誇ったAmazonも、そろそろ何らかの変革を迫られている時期なのかもしれない。

<文・図版/恒川 義春>

【恒川 義春】
パソコンやインターネット、スマートフォンやガジェットなどのデジタル関連を中心に、ゴシップやギャンブルカテゴリなどの情報もお届けする、編集兼ライター。大阪在住ゆえ、関西ならではのトレンドも追う。


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