「振り袖、ピラミッドを登る」(講談社・絶版)には若き日の小池氏のポテンシャルが存分に綴られている
キーワードは、“みんなのしないことをしたい”、それが都知事選で後出しジャンケン有利説を覆し、見事に大勝した小池百合子氏(以下敬称略)の原点であるようだ。
それが存分に見て取れるのが、1982年に発行された本人の著書『振り袖、ピラミッドを登る』(講談社)である。本には1971年、19歳の秋にエジプトへ留学し5年間を過ごした体験が綴られている。
なぜ、エジプトのカイロだったのか? その理由を小池はこう書いている。
「ありきたりの言葉を勉強するよりも、将来性のある言語を学びたい」
小学生の頃から、石油の取引をしていた父から「1980年代はアラブが世界の中心だぞ」との助言があったという。
「アラビア語は勉強せずに出かけた。辞書はもちろんのこと、日本語によるアラビア語文法書など、どんな大書店に行ってもなかったからだ。」
「みんなのしないことをしたい。アメリカやイギリスへの留学はありきたりだし、今さら英語をやってダンゴレースに参戦したくないわ。」
「カイロに来て初めてピラミッドを見たときから、ようし、いっちょう、これに登ってやるぞと心に決めていた。」