「一流のクラシック音楽を低価格で」。フランス発のクラシック音楽の祭典でGWは癒やされる

2007年2月のラ・フォル・ジュルネの様子(Public Domain)

 クラシックのコンサートというと入場料も高く、子どもの入場も許可されていないなどなかなかに敷居が高いもの。  しかし、1995年にフランスのナント国際会議場(シテ・デ・コングレ)で1995年に第1回が開催され、それ以来毎年開催されている「ラ・フォル・ジュルネ」というコンサート・イベントは、そんな敷居をぐんと下げたことで知られている。 同イベントは、芸術監督であり創設者でもあるルネ・マルタン氏による「一流の演奏を気軽に楽しんでいただき、明日のクラシック音楽を支える新しい聴衆を開拓したい」「早くから『本物の音楽』に触れてほしい」というコンセプトのもとに、コンサート1回の入場料は5~22ユーロと低めに設定され、子ども連れにも門戸を開放しているのだ。しかし、それでいて、フランスでは最大級のクラシック音楽の祭典として定着しており、参加するアーティストも世界の一流どころが出るというから凄い。  そして、このラ・フォル・ジュルネの人気は世界中に広がり、フランス以外では2000年からポルトガルのリスボン、2002年スペインのビルバオ、2008年にブラジルのリオデジャネイロ、2010年にワルシャワ、2015年はロシアのエカテリンブルグで開催されている。  日本でも、2005年に東京国際フォーラムで第1回が開催された。以来、毎年開催され、延べ約682万人が来場した。また、「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」は、東京だけでなく、金沢(2008年~)、新潟(2010年~)、大津(2010年~)、鳥栖(2011年~)でも開催されるようになった。料金は、ルネ・マルタン芸術監督の低料金コンセプトが守られており、コンサート1回の入場料が1,500円(大人料金)~となっている。  そして今年もまた、5月3日~5日、ゴールデンウィークのお休み期間中、東京有楽町の東京国際フォーラムおよび日比谷野音(日比谷公園大音楽堂)で、「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン『熱狂の日』音楽祭2016」が開催される。
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毎年変わるテーマ、今年は「自然と音楽」
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