コロナ禍で運送業界は大忙しと思いきや、現場では苛烈な労働環境が加速していた!

 感染者数の最多人数が連日のように更新されるなど、新型コロナの猛威が止まらない。日本経済が急速に冷え込むなかで、各産業はどのような打撃を受けているのか。

重労働だけ激増。残業代は雀の涙

 外出自粛の影響でネット通販が急増し、個人宅への配送担当は悲鳴を上げている。配送助手として働く山内彰さん(仮名・48歳)が話す。 「メーカーからの家具や家電を配送していますが、6月からソファやベッド、大型家電などの配送が多くなりました。家にいる時間が増えたことと、特別定額給付金で買う人が増えたんじゃないかと。残業代が入るのはいいのですが、しょせんは月2万円程度。暑い日にマスクをつけて重労働をする代償としては安すぎます。最近は腰を痛めてしまい、コルセットをつけて働いていますね。コロナが落ち着いたら転職も考えています」
運輸

主に個人宅への配送を行う山内さん。手取り月収は18万~20万円ほど。多忙と引き換えに残業代が増えたが「割に合っていない」と話す

オフィス移転延期急増で仕事が激減

 一方、個人事業主としてオフィス移転業務を手がける森下徹さん(仮名・48歳)は大幅な収入減だ。 「テレワークとオフィス不要論の影響で、とにかくコストを削減する会社が増えています。大きなオフィスへの引っ越しが延期になったりして、仕事は4分の1以下になりました。作業工程も3日から1日に短縮を命じられるので本当に稼げない。今年は月収10万円に届かない月ばかりで、同業者の知り合いの手伝いをして、なんとか日銭を稼いでいます」
運輸

「取り崩した貯金と、持続化給付金でどうにか生活しています。なんとかしたくても動けない」と話す森下さん

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