21回連続で記者を「排除」。お気に入り記者だけ指名する小池都知事の“談合ヤラセ会見”

筆者が質問者として指名されない会見はこれで21回連続

小池百合子都知事

小池百合子都知事

 感染症の指定機関、都立墨東病院(東京都墨田区)で「緊急救命受け入れを中止 集団感染で」と4月22日の『日経新聞』で報じられた5日前の17日、筆者は小池百合子知事の会見終了直後に大声での“声掛け質問”を行った。  質問者として指名されない“記者排除”はこの日で21回の新記録を更新した。お気に入り記者が優先的に指される“談合ヤラセ会見”への抗議も込めて、医療崩壊を招いた知事の責任を問い質したのだ。 「知事の怠慢が中野(江古田病院)の院内感染の原因ではないですか。都出身の(中野)保健所長の初動遅れが原因と聞いていますよ。(監督責任がある都の)職務怠慢ではないですか」  しかし小池知事はこれに答えず、無言のまま立ち去った。  2日前の15日の臨時会見でも、筆者は同じ主旨の声かけ質問をした。 「知事、発熱患者は20か所を救急車でたらい回しですよ。どう解決するのですか。医療崩壊ではないですか。(中野江古田病院と永寿僧坊病院の)院内感染も、知事の怠慢ではないですか?」 「排除」発言を引き出した2017年9月29日以降、小池氏に一度も指されなかった筆者が再び都知事会見に通い始めたのは去年12月27日。きっかけは、「再選後に小池氏は必ずカジノ誘致表明をする」と見る古賀茂明氏の“東京本命説”だった。  これ以降、京都市長選(2月2日投開票)の取材をしていた1月31日を除いて、都知事会見には欠かさず参加して声掛け質問を続けてきたが、知事は何も答えなかった。

保健所による院内感染の調査が遅れて集団感染を招いた

 そして“記者排除(質問権はく奪)”7回目の2月14日からは、質問内容をカジノから新型コロナウイルスに変更した。すると「会見で知事にぶつけてほしい」という医療関係者からの情報提供が相次ぐようになった。ちなみに4月15日と17日の声掛け質問は、都の責任を問う以下の告発情報をもとにしたものだ。 「中野保健所の初動遅れで院内感染が広がってしまった。163人の感染者を出した『永寿総合病院』(台東区)も同じパターンで、院内感染の調査が遅れて集団感染を招いたのです。しかも中野区の保健所所長も台東区の保健所所長も元・都職員で、『あまり有能ではない』との評判だった。そんな保健所長が現場で指揮をとる中で、後手後手の対応となった。保健所を監督する都の技官の職務怠慢でもあり、当然、小池知事の指導力不足の責任も問われる“人災”といえます」(医療関係者)  実際、90人以上の感染者(12日時点で入院患者69名、職員25名)が確認された中野江古田病院では、4月1日に看護職員の陽性がPCR検査で判明したのに、感染を知った中野保健所が診療停止要請をしたのは2日後の3日で、実際に停止したのは5日だった(4日間の初動遅れ)。中野保健所と監督責任のある都の職務怠慢は明らかだったので、トップの小池氏に質問をぶつけたのだ。
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医療崩壊寸前の“不都合な真実”を隠蔽!?
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