夫婦間の「わかってくれて当然」はもうやめた。夫婦インタビューで良好な関係を築く

夫婦インタビュー

価値観が違う2人が、仲良くいるために

 2019年12月中旬、私と妻は5回目の結婚記念日を迎えました。  妻と一緒にいるのは楽しいし、ずっと一緒にいたいと思います。しかし生まれも育ちも何もかも違う人間と一緒に暮らすって、かなりハード。自分の当たり前が、相手にとってそうとは限りません。同じ景色を見ているのに、感じ方が全然違っていて驚くことばかりです。  「大好きなこの人と一緒にいたい!」と純粋な気持ちでスタートした結婚生活が、いつしか苦痛の日々に変わってしまう。そうなるのは、無理からぬことだと感じることすらあります。  価値観が違うふたりだからこそ、仲良くいるためには努力がいる。妻も僕もそう思っていて、普段の会話では自分の気持ちや考えを話し合うようにしています。  「なんだ、たかが話し合いか……」と感じるかもしれませんが、夫婦に限らず友人でも職場の人でも、異なる考えや価値観を持った人同士が協調するには、相手を知ることが必要なはず。妻と私が心がけている話し合い方をご紹介します。

衛生観念に金銭感覚、時間の使い方、なんでこんなに違うの?

 妻と出会ったのは、当時お互いに住んでいた街にある喫茶店でした。顔見知りから仲の良い友人となり、その後交際をスタートしました。付き合って1か月が経ったころ、僕らは同棲を始めます。大好きな人との生活は楽しい反面、予想もしない面倒くささもありました。  私たちで顕著だったのは、衛生観念の違いでした。私は布団以外は足の踏み場もない汚部屋で暮らしていたので、雑然とした空間でも平気なタイプでした。一方で妻はホテルのように整った住空間が好み。初めて妻の部屋に行ったときには、室内にモノが少なく整然としていて驚きました。  私は綺麗に使っているつもりでも、妻からは「なんでそんなに汚すの?」と突っ込まれてしまう。でも私にとっては、「気にするほどの汚さか?」と疑問が湧いてくる。同棲当初は、ずいぶんとぶつかりました。   ほかにも驚いたのが、距離感覚の違いでした。僕にとって片道30分は「近い」と感じるのですが、妻にとっての「近い」は歩いて1分。同じ「近い」という言葉から連想する感覚は、こんなにも異なっていました。  特に記憶に残っているものとして衛生観念と距離感覚を挙げましたが、ほかにも時間の使い方、洗濯機を回すタイミング、料理の温度、休日の過ごし方、服装選びなど、私たちの間にはたくさんの「ぶつかりポイント」がありました。
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雨を嫌と感じる人もいれば、嬉しく思う人もいる
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