Gmailで受信した購買履歴が自動でリスト化されていたと騒動に

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15億人以上が利用しているGmailサービス

 Googleの無料メールサービス「Gmail」。2004年4月1日から提供を開始したこのサービスは、既に15年継続している。多くの人が利用しており、2018年10月26日の時点で、利用者は15億人を突破した(参照:Gmail – Twitter)。  私も「Gmail」を利用している。オープン当初の「Gmail」のウリは、保存容量の大きさだった。当時の競合サービスの中で「1GB」という容量は多くの人を驚かせた。その容量はどんどん増えていき、2014年には15GBになった。  保存容量をウリにしていた「Gmail」だが、私は当初魅力を感じなかった。しかし「Gmail」の実力を認めることがあり、それ以降は「Gmail」を愛用し始めた。その実力とは「迷惑メールフィルタ」である。  当時私は、オンラインソフトを100本近く公開していた。それらにはユーザーサポート用のメールアドレスを書いており、そのメールアドレスはスパム用のbotに収集されていた。そのせいで日に数100通、多い時は1000通近くのスパムメールが届き、仕事やプライベートに支障が出ていた。  いくつかのスパム対策サービスを渡り歩いたあと「Gmail」の「迷惑メールフィルタ」にたどり着いた。そして、Googleという会社の実力を知った。数週間に一度、アルゴリズムの変更のせいか、誤判定が出ることがあるものの、概ね99.9%以上の精度で迷惑メールを分類してくれた。Googleという会社が、アルゴリズムで自動化をおこなう会社なのだということを、強く印象づけられた。

Gmailで受信した購買履歴が自動でリスト化されていた

 そして今週のことである。Gmailで受信した購買履歴が自動でリスト化されており、その閲覧専用のページがあるということで、ネットでは小規模な騒動が起きた(参照:INTERNET WatchEngadget 日本版)。この購入履歴は、Googleアカウントの「購入」ページから閲覧できる。 「購入」機能のヘルプページを見てみよう。このページによると、「Google Play ストア、Google Express、Google アシスタントなどの Google サービスで行った注文」「Gmail で受け取った注文の領収書や確認書」を自動収集してリストを作成しているそうだ。  私の場合は、Amazonの履歴やヨドバシカメラの履歴がリスト化されていた。2019年だけで240件ほどある。Googleは、こうした履歴を自社の事業に利用しているはずだ。Googleの大きな収益源は広告だ。何を、いつ、どこから買ったかという履歴は、非常に重要な情報になる
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さまざまな行動履歴を収集するGoogle
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