吉澤ひとみは弟を交通事故でなくしていたのに、なぜ飲酒運転・ひき逃げを行ってしまったのか?

思った以上に深刻な状態の可能性がある吉澤ひとみ ※画像は公式ブログより

 元モーニング娘。の吉澤ひとみが酒気帯び運転、ひき逃げ事故を起こし逮捕された。  つんくに「天才的に可愛い」と言わしめ、一時はモーニング娘。のリーダーとして活躍していたとは思えない落ちぶれた姿に、「吉澤お前もか……」と、がっかりした古参のファンも多いだろう。  中でも多くの人が首を傾げるのは、「弟を2007年に交通事故で亡くしているのに、なぜひき逃げをするのか」という点である。  至極まっとうな批判であるが、吉澤がダメ人間であると単に切り捨ててしまうのは早計だ。精神科医の岡本浩之氏はPTSD(心的外傷ストレス障害)の特徴である「再演」で説明ができると話す。 「トラウマ体験に支配されると、同じような状況を繰り返し再現しようとする特徴があり、それが一種の自傷行為として発現することがあります。  吉澤さんの場合、飲酒運転で自らを危険に追い込みつつ、弟さんが亡くなった同じ状況を体験しようとしていたものと考えられます。  これは吉澤さんに限ったことではなく一般的にも起こり得ます。  例えば、性的虐待を受けて育った女性が、本人にとっては性交渉が心の傷を開かせるつらい体験であるにもかかわらず、性風俗店で働き多くの男性と性交渉をする。  また、普段は男性への嫌悪感を示すのに、飲酒し酩酊状態になると不特定多数の男性と次々と性交渉をしたりすることがあります。  そういう人はしばしば、『本当はSEXが好きな、だらしない人間なんだろう?』と勘違いされますが、本人にしか分からない、深い傷を抱えているのです」
次のページ
本当に断罪だけで良いのか
1
2
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会