中国版ゆとり世代「95後」が大国のビジネスを変える

朱氏と山口 のコピー

Wish & Recommend inc.取締役 朱 子靑氏(左)と山口氏

「シニアが若手とコミュニケーションがしづらくなった」というフレーズは、日本企業で頻繁に言われるようになりました。実は中国でも、その傾向が顕著です。今回は、中国のビジネスパーソンの最新事情について、中国と日本の両国でコンサルタントとして活躍している朱子靑さんに、本連載「分解スキル反復演習が人生を変える」でお馴染みの山口博氏が迫ります。

豊かさの象徴である「九五後」世代

山口 博(以下、山口):日本だけでなく、北京、深圳、上海で、分解スキル反復演習型能力開発プログラムを実施していると、30代前後のリーダー層と20代の若手層との間に、大きな言動のギャップがあるように思えてなりません。 朱 子靑氏(以下、朱):中国では、1995年生まれ以降の世代のことを、「95後」(中国語読みで「ジーウーホー」)と呼び、それ以前との世代との間で、別の人種であると言われるほどに大きな断層があります。この世代が社会人になり始めているので、社会問題化しています。 山口:1995年という年に、どのような意味があるのですか。 朱:改革・解放政策が浸透し、経済が発展した後に生まれた世代であるということです。つまり、貧しい時代、先進国に追いつこうともがいていた時代を全く経験していない世代ということです。 ほしいものは手に入り、一人っ子政策のため、もとより甘やかされている。そして、親は共働きで祖父母に育てられ、なおさらかわいがられて、育ってきた世代と言えます。 山口:まさに豊かさの恩恵を享受してきた世代ですね。 朱:加えて、国は経済発展し、都市部では海外と差がない。それ以前の世代は旅行でも転勤でも、海外での生活を経験すると、海外はすごい、中国は劣後しているということを目の当たりにしてきたわけです。しかし、「95後」の世代は海外をすごいと思っていない、中国が世界をリードしているというイメージをもって育ってきたのです。 山口:そんな「95後」の世代は、どんな特徴をもっているのですか。
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従来のリーダーシップが通用しなくなっている
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チームを動かすファシリテーションのドリル

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