心理学本の“NO”と言わせないテクニックは時代遅れの昭和テクである

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「NOと言わせない」などとし相手に選択肢を与えない行為は、今の時代においてはただの脅迫である

 こんにちは。サラリーマンメンタリストのTatsuです。  前回はHIKAKINさんに代表される人気YouTuberの特徴から、トップ営業マンに備わっている資質をご紹介しました。(参照:「YouTuberを馬鹿にするサラリーマンは絶対に仕事ができないワケ」)  今回は、ビジネス書を読み漁る勉強熱心なビジネスパーソンが陥りがちな、ある振る舞いについてです。

「和食か洋食どっちに行きたい?」ドヤ顔で心理テクを使うのはやめなさい

 私は過去、ダメ営業マン時代から200冊以上の心理学書・ビジネス書を読み漁ってきました。  すると、20冊を超えたところから本の内容が被ることが増えてくるんですね。 「すぐ行動しよう!(考えてから走るのではなく、走ってから考えなさい)」 「魚を釣ってあげるのではなく、魚の釣り方を教えよ」 「イチローは目標を幼少期から明確に周囲に公言していた(だから目標は周囲にしっかり口にしよう)」  などなど。  結局、ビジネスで重要なことは何十年も変わらないということなのでしょう。そして、これは心理学本でも同様です。  たとえば、目を引くタイトルの本の目次には必ずこんな見出しを見かけます。 「絶対にNOと断れない方法」  気になって、ページを開いてみると、そこで紹介されているのは、大抵こんな内容です。 <たとえば、あなたが気になる女性をデートに誘いたいとします。その場合、『今度一緒にデートしよう』と話すより、『和食か洋食、どっちにいきたい?』と聞きましょう。これを心理学用語でダブルバインド理論と言います。女性があなたとデートすることを前提にすることで、女性に断られにくい質問になるのです>  いかがでしょうか。どこかで見聞きしたことありませんか?  でも、一つ質問です。  これを本当に実践してうまくいったことってありますか?  少なくとも、私の経験や周囲を見ていてもこの「NOと言わせないテクニック」は絶対に実践してはいけないテクニックです。事実、私はこのテクニックを使ってデートに断られてしまったことがあります。NOと言われてしまったんですね(笑)  その理由を解説しましょう。
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“断りやすい誘い”のほうが人に好まれる
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