ベトナム・ダナンにあるという、「ラーメン二郎」風ラーメンを食べに行ってきた

来遠橋

ホイアンには日本人が1593年に造ったとされる「来遠橋」が今も残る

 さる筋によると、「この4月でベトナムの日本商工会議所の会員数はタイのそれを超えた」という話もあるほど、ベトナム投資熱がここ数年高まりつつある。  確かに、ベトナムはインフラなど諸々がタイほどには整備されていないにしても、勤勉で几帳面なベトナム人は日系企業にマッチする部分が多い。市街地を見ても車より多く走っているバイクだが、飲食店などの駐車場では感心するほど整然ときれいに並べて駐車されている。これもベトナム人気質の一面だ。  月収は平均で300ドルを割っていて、日系企業など外資勤めで500ドル水準。それでも例えば1食に500円も出すと豪勢な食事になるほどで、生活費はかなり安く、500ドルは高収入に当たる。  ベトナムはハノイとホーチミンの2大都市に人が集まり、その分ベトナムにしては物価が高い。しかし、ベトナム第3の都市、中部のダナンですでに物価がその2都市とは大きく違う。そのためか、ダナンへの日系企業の進出も進んでいるという。

ハノイ、ホーチミンに続く第三の都市、ダナンの注目度がアップ

 ダナンは港湾都市で、人口は2017年で145万人レベル。2025年には200万人都市になるとされ、世界中から注目される投資先になっている。ジェトロが2017年3月にダナン市の衣・食・住をレポートした「ダナンスタイル」によれば『2016年12月時点で外資の投資案件は、登録ベースで449件、37億ドル。投資額1位はシンガポール、2位韓国、3位ヴァージン諸島(実質的にはアメリカ)ですが、実行された額では日本が1位』となっている。ダナンは横浜や川崎市などとも交流があり、またベトナム航空とジェットスター・パシフィック航空が直行便を就航させていて、より身近な存在になっている。今後もダナンへのジャパンマネー投資は続くと見られる。

ダナンはコンビニもほとんど見かけないほどの街であるが、これから伸びるとされる

 そんなダナンを歩くと、在住日本人のための飲食店などが見られる。ハノイやホーチミンにもリトル東京が形成され、日本人駐在員が通う居酒屋などがたくさん出ている。ダナンはこの2都市と比較すればかなり小さな規模ではあるが、国鉄ダナン駅からほど近いエリアには日本の居酒屋などがあった。  普段日本で暮らしていると自分が日本人であることを意識することは少ないが、外国という異文化に身を置くと、当然と思っていたことがそうでなかったりしたときに「ああ、自分は日本人だ」と感じる。また、突然味噌汁や卵焼きなどの本当に普通の和食を欲している自分に気がつく瞬間もある。海外の和食店はこういった「和」に飢えた日本人の憩いの場にもなっている。  そんなダナンのある居酒屋に足を運んだ。「花鳥風月」といういかにも日本的な名称で、この店があるグエンチータン通りはほかにも和食店や日本人向けのカラオケ・クラブ、日本人経営店が点在している、ダナンの「日本人街」になっている。 「花鳥風月」の外観は普通のベトナムの住宅で、店の内外で観察をしていたがそれなりに来客数はある。どうも2階に個室があるのか、在住の日本人はそこに集まって食事をしているようだ。数ある店の中でこのように選ばれているということは悪い店ではないのだろう。  店主とおぼしき女性は日本語ができ、聞けば「花鳥風月」はつい最近までは日本人が経営に関わり、味の管理もしていたという。その人が日本に帰ってしまい、今は引き継いでいるベトナム人だけで営業しているのだとか。
次のページ
ベトナム・ダナンで「ラーメン二郎」!?
1
2
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会