プロゲーマー正社員の羨ましすぎる働き方。スマホゲーム会社がプロゲーマーを雇うワケ

 慢性的な労働力人口の減少が続き、人材確保がこれからの企業の課題として浮上している。来るべき人材確保が困難となる時代を見据え、ダイバーシティやワークライフバランスを推進し、働きやすさを打ち出す企業も増えている。  そんななか、「プロゲーマー正社員採用制度」という独自の取り組みでプロゲーマーを正社員として迎え入れているのが、スマートフォン向けゲームの開発を手がけるポノス株式会社(本社:京都府)だ。練習やゲーム大会への参加といったプロゲーマー活動を通常業務に含むユニークな制度について、同社の江戸オフィス(恵比寿)で話を聞いた。
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プロゲーマーのガリレオ選手(写真左)とe-sports事業を統括する板垣護氏(写真右)。恵比寿にあるポノス江戸オフィスにて

工場の機械保守から転職してプロゲーマー正社員に

 プロゲーマー正社員採用制度第一号として2017年6月からポノスで活躍するガリレオ選手(プレイヤーネーム)。以前は大手繊維メーカーで工場機械を保守するサラリーマンだった。 「前職では仕事後にゲームセンターに通って練習をする生活を送ってました。自分にとってゲームは人生の一部。ゲーマー活動はプレイ料金以外に、遠征費用など何かと出費が伴います。だからこそ仕事にもしっかり取り組み、仕事とゲームのバランスは意識していました」  ガリレオ選手は、世界的なゲーム大会「EVO2014」での優勝を皮切りに、数々の大会で好成績を収めているプレイヤー。しかし、当時は徐々に社会人ゲーマーとしての限界を感じていたと語る。
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インタビューに応じるガリレオ選手。『BLAZBLUE(ブレイブルー)』というタイトルで世界的トッププレイヤーとして活躍してる

「年齢とともに仕事の責任が重くなることで、ゲームとの両立が厳しいと感じていました。管理業務が増え、後輩の育成もあって、ゲームの練習時間を確保しづらくなりました」 「引退」の2文字が頭をよぎるなかで知ったのが、ポノスの「プロゲーマー正社員採用制度」だった。制度を知ったキッカケは、たまたま参加したゲーム大会。会場でポノス社によるプロゲーマー正社員採用制度の発表が行われており、すぐに応募することを決意した。
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収入だけじゃない、社会人プロゲーマーの悩み
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