コーヒー、コカインに続くコロンビアの「輸出品」!? コロンビアの傭兵が中東で増加

photo by skeeze via pixabay(CC0 Creative Commons)

 南米のコロンビアといえば、品質の良いコーヒー豆を輸出していることで良く知られている。また、裏社会的にはコカインの産地であることも有名だ。しかし、近年では優れた傭兵も「輸出」していることは知られていない。  アラブ首長国連邦を訪問中のコロンビアのホセ・マヌエル・サントス大統領に、ムハンマド・ビン・ザイード・ナーヒャン皇太子から4500万ドル(54億円)から贈呈されることが伝えられた。贈呈の動機となったのはアラブ首長国連邦がサウジアラビアに協力してイエメンに兵士を送るのにコロンビアからの傭兵800人が活躍していることと、半世紀余り続いたコロンビア革命軍(FARC)との和平交渉が成立し革命軍が武装解除したことへの労いである。  コロンビア政府はこの贈呈金を基金として、FARCとの半世紀の戦いで被害を受けた地域の再建に充てるとした。(参照:「Hispan TV」)  コロンビアの傭兵は、2014年にアラブ首長国連邦によって契約されて、イエメンでサウジ軍の指揮下に加わって戦っている。週給1000ドル(12万円)に加えて、他にボーナスが支給され、アラブ首長国連邦の国籍も希望であれば取得できるという。  当初の契約ではイエメンでの紛争に参加することは規定にはなく、生命にもかかわる戦場に赴くには報酬がそれに見合うものではないとして彼らは拒否していたそうだ。そこで首長国連邦の方でひと月につき1000ユーロを追加するということで傭兵の方で了解したという経緯もあったそうだ。(参照:「fuerzasmilitares.org」)  一方、コロンビアでは優秀で経験豊富な軍人が良い報酬を求めて傭兵として軍隊から離れ、しかもその数が次第に増えていることに、軍の指導部では軍隊が弱体化してしまう恐れがあるとして懸念しているという。公式発表はされていないが、コロンビアでは傭兵に転身する軍人が1500人余りにまで及んでいるとも言われている。(参照:「fuerzasmilitares.org」)  コロンビアは麻薬組織や革命軍らとの戦いで、しかも米軍基地が7か所あることから、米軍の指導もあってコロンビアの軍隊のレベルは高いとされている。
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中東で活躍する南米の傭兵たち
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