Apple発表の新型「iPhone X」を手放しで評価できない理由

 Appleは現地時間9月12日(日本時間13日午前2時)、iPhoneシリーズの新型モデルとなる「iPhone 8」、「iPhone 8 Plus」を発表した。そして、イベントの終了間際、「one more thing(最後にもうひとつ)」として、iPhone発売10周年を記念した特別モデル「iPhone X(テン)」をサプライズ披露した。
新型アイフォーン0913

新型「iPhone X」イメージ(画像はApple資料より)

 事前予約は10月27日開始で、通常販売は11月3日、色はスペースグレイとシルバーという、iPhone X。果たしてどのような性能を持っているのか? また、どう判断すべきなのか?  まずはiPhone Xの性能からおさらいしたい。  注目のディスプレイだが、有機ELの5.8インチディスプレイを採用。また、Super Retina Displayと呼ばれるOLEDのディスプレイを初めて搭載。解像度2436×1125、455PPIに対応し、より鮮明な描写が端末のスクリーン全体に広がるデザインとなった。また、ステンレススチール製のフレームも強化され、水性能と防塵性能も備えている。  また、今回最大の注目が顔認証システム「Face ID」だ。iPhone Xは端末の全体がスクリーン(ホームボタンがない)のため、使用には顔認証が必要。ユーザーはスクリーンを見ることで、顔認証を行い、ロックが解除される。  このFace IDには、フロント中央上部にせり出した「True Depthカメラ」が使用されている。これによりiPhone Xのどの角度からでも顔の判別ができ、Appleによれば、テーブルに置いてある状態からでもスマホを解除することができるという。また、3万以上の目に見えないドットを照射し、顔の精緻な深度を測って個別認証を行うため、他人がFace IDを悪用してスマホを解除できる確率は100万分の1だとか。  さらに、その顔認識機能を生かして「Animoji(アニ文字)」という新機能も搭載。人の顔の筋肉の動きを分析し、表情に合わせたパンダやゴリラなどの絵文字を出すことができる。一方の背面カメラは、デュアル1200万画素。また、バッテリー駆動時間はiPhone 7より最大2時間長くなっている。
顔認証システム0913

顔認証システム「Face ID」(画像はApple資料より)

次のページ
ただし、専門家の評価は厳しめ
1
2
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会