個人が上場!? VALUって儲かるの?

 6月にサービスを開始したVALUが、一部で注目を集めている。一体、個人が“上場”できるネット上のサービスで、どれだけ稼げるのか? 徹底調査した。
VALUサイト

6月からサービスを開始したVALUのサイト

「VALU」が早くもバブっているのをご存じだろうか? その正体は、個人が株式会社のように株を発行して資金調達できるマーケット。個人が“株式上場”できるネット上のサービスなのだ。自分を株式に見立てて上場し、市場で取引させるサービス。自らのVALUを発行するだけでなく、市場で売買されるVALUを買ったり売ったりして投資家として利益を狙うことも可能。運営元はベンチャー企業の株式会社VALU。  売買に使用されるのはお金ではなく、ビットコイン。そのビットコインそのものが直近で30万円の値をつけていることもあって、VALUに上場している“個人の時価総額”も相当なもの。トップは「DJ全力」氏という投資家で、なんと58億円にもなる。ホリエモンこと堀江貴文氏も上場しており、時価総額は21億円。このほかにも、“メディアアーティスト”の落合陽一氏、フェンシング銀メダリストの太田雄貴氏ら、多くの著名人がVALUに参加しているのだ。  VALUそのものは5月からサービスを開始。それから2か月弱で1万人以上が登録し、そのうち約100人が時価総額1億円超えを達成している。そんな億超えVALUのなかには、ほぼ無名の投資家や芸人なども。仮に売買が成立すれば、瞬間的に億の資産を手にできてしまえるのだ。一体なぜ、一部でこんなにもVALUはバブっているのか? ファンドマネジャーで“VALU投資”も行っている広瀬隆雄氏はこう解説する。 「上場している人たちがしているのは、通常のSNSでやっていることと大して変わりません。自身のVALUのページとツイッターなどを連動させることができるので、日々の出来事などを綴っているのが大半。つまり、VALUを買うということは、『いいね!』を押すことと、ほぼイコールなのです。ところがVALUは通常のSNSと異なり、お金が絡む。つまり、お金で人間の承認欲求を満たす究極のSNSと言ってもいい。その点が、非常に面白い」
VALUの仕組み

VALUを発行するには運営元に申請を。SNSの利用実績に応じて発行数が決まる。発行されたVALUを市場で売り出し、買い手がつけば手元に資金(ビットコイン)が入る。保有者向けの「優待」も設定可能。

 そこにはSNSと投資を融合したVALUならではの面白さがあるというのだ。VALUに上場しているモデルでタレントの原田奈津美さんもこう話す。
次のページ
 投資経験ゼロから上場してみたら
1
2
3
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会