錦織圭のパートナーでもあった三橋淳は、どのようにして道を踏み外したのか

ATPワールドツアー公式HP内にある、三橋淳プロフィール

 またしても日本のプロスポーツ界の不祥事で、世間に衝撃が走った。  今度はプロテニス。錦織圭というスーパースターの活躍もさることながら、テニスは日本人の老若男女問わずに親しまれている人気のスポーツである。また松岡修三、伊達公子といったキャラクターの濃い名選手がおり、常に明るくクリーンなイメージのスポーツでもある。  しかし一時期は日本のトップレベルにいた選手が、何と国際大会で八百長を何度も持ちかけた不正で「テニス界から永久追放」と言う厳しい処分を受けたのだ。  その選手の名は三橋淳(27歳)。彼はジュニア時代に、錦織圭とダブルスを組んで国別対抗戦の世界大会にも出場したことがあり、全日本トップクラスの実力の持ち主であった。  2009年の全日本選手権ではベスト4に入り、その後コートを離れたが、2014年8月に選手として復帰した。しかし同12月のツアー以降の大会参加はなく、2015年を最後に日本協会の選手登録も更新していなかったという。彼にいったい何があったのか。

事件の概要

 国際的なテニス不正監視団体テニス・イングリティ・ユニット(TIU)によると2015年11月に南アフリカで行われた下部ツアー大会で、かつてコーチを務めた選手を通じ、シングルスは2,000ドルで、ダブルスは600ドルで敗退行為をするよう他の選手に働きかけたと言う。同年12月のナイジェリアの下部ツアー大会では直接、選手に八百長を持ちかけた。  同15年にはテニスの試合に対する賭けを76件行っていたこともわかったと言う。TIUはこの件について再三、話し合いの場を持つよう要求し、不正行為を是正するよう勧告したが、三橋はこれをすべて拒否。弁明の機会を放棄したとみなされ、即刻永久追放という厳しい処分になったようだ。  彼がなぜ、25歳という若さで競技から離れ、八百長などに関与するようになったのか。状況から見ると、今回発覚した不正と、競技の一線から退いた時期がぴたりと一致するようである。
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初戦に敗れれば100ドルしかもらえない厳しい世界
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