中国アリババがアルゼンチン政府の公認サイトに。対中輸出に活用

アリババのジャック・マー会長 photo by 林鼎皓 via flickr(CC BY-SA 2.0)

 中国で英語教師として12ドルの月給をもらっていたというアリババの創業者ジャック・マー会長が5月3日にアルゼンチンのマクリ大統領を訪問した。アルゼンチン国際商業及び投資連盟とアリババとで覚書に署名する為であった。目的はアルゼンチン製品の中国への輸出をアリババのネットを利用して発展させる為である。そして、このプランに、アルゼンチン政府自らがバックアップするということなのである。(参照:「iProfesional」)  アルゼンチン政府が自らeコマース市場での販売促進に直接支援するというのは初めてのケースである。アリババのネットがアルゼンチン政府公認となるというのである。中国がアルゼンチンのことについて殆ど知らないということと双方の文化の違いについてはアルゼンチンの企業は不安に思っているが、それ以上に中国市場の開拓にアリババを利用するのは良い手段だと見ている。  マー会長もアルゼンチンの経済がビジネスの伸展に良い環境を作っていると感じているという。そこから、双方で試験的に中国市場への開拓に双方が協力するということを決めたのである。

第一歩はワインと食肉

 マー会長が<15年後にはビジネスの90%はオンラインによって行われる>という考えにマクリ大統領は共鳴して、アルゼンチン製品の中国市場への輸出をアリババを通して試すことに決めたのである。その実験台になったのがアルゼンチンを代表する商品の中から先ずワインと食肉が最初に選ばれた。(参照:「El Cronista」  アルゼンチンのワインの生産量は2014年統計で世界で5位に位置している。一方、輸出となると2016年統計で10位にランキングされており、輸出競争力が劣っている。(参照:「Vinetur」、「Vinetur」)。  食肉については、アルゼンチンの生産量は2010年統計で世界で4位であるが、輸出となると2016年度は10位に甘んじていた。(参照:「Infocarne」、「El Agro」)。
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マクリ大統領の目指す輸出競争力回復
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