「コーポレートガバナンス・コード」の提案者が語る、日本のコーポレート・ガバナンスの歴史

日本における「コーポレート・ガバナンス」の歴史

大熊:なるほど、そうだったんですね。ベネシュさんは粉飾決算が明らかになった「ライブドア・ショック」後のライブドアで社外取締役を務めた経験があると聞きました。ライブドア・ショックがあり、村上ファンドの村上氏も逮捕され、その後リーマン・ショックで円高にもなって、外資系企業による買収の脅威もおさまったため、日本におけるコーポレート・ガバナンスの議論は長らく停滞していたということでしょうか。
コーポレートガバナンス

コーポレートガバナンス

ベネシュ:そのとおりです。しかし、’13年ごろから、アベノミクスによる成長戦略の柱を政権は模索し始め、私は’14年には自民党に「スチュワードシップ・コード」と車の両輪になる「コーポレートガバナンス・コード」を直接提言しました。  そして、’15年にコードが制定され、一気に議論が盛り上がってきました。私はずっと日本企業のガバナンス強化を訴えかけてきました。ここから、「仏作って魂入れず」という状態にならないよう、さらに実効性をもたせていかなければなりません。本当に長い道のりでした。  15年前にあるタクシーに乗った時、運転手さんに「日本企業のコーポレート・ガバナンスに問題があるのでは?」と話したら、「日本のことがわかってない」とちょっと言われましたが、最近では「その通りだ」とたびたびうなずかれます。 大熊:やはり東電や東芝のように、日本企業の不祥事が報道されることが多くなり、企業統治について、日本中の人が関心を持ち出しているんでしょうね。でも、まだまだ企業の役員に会社の舵取りを担う役員としての意識が足りないから、継続して改善に取り組んでいく必要があるということですか。 ベネシュ:その通りです。 <文/大熊将八> ※次回記事「『コーポレートガバナンス・コード』の提案者に聞く、企業不祥事の背景にある日本企業の問題」は近日配信予定 おおくましょうはち○国内外の企業分析を行い、「週刊文春」「現代ビジネス」「東洋経済オンライン」「ハーバービジネス・オンライン」」などに寄稿。東大・京大でベストセラーの企業分析小説『進め!! 東大ブラック企業探偵団』(講談社刊)著者。3月12日には新刊『東大式 スゴい[決算書の読み方]』を発売予定。twitterアカウントは@showyeahok
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