大阪環状線「45年ぶり」の新造車・323系デビュー!「改造プロジェクト」で西の大動脈はどう変わる?

 大阪の大動脈・JR大阪環状線が大きく生まれ変わりつつある。  JR大阪環状線は、大阪駅を起終点に大阪市の中心部をぐるっと一周する21.7kmの環状鉄道で、沿線には大阪城に近い大阪城公園駅・森ノ宮駅、多くの焼肉店が軒を連ねる鶴橋駅、日本一の超高層ビル「近鉄あべのハルカス」がそびえる天王寺駅、通天閣や新世界の玄関口である新今宮駅、そして支線としてUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)のアクセス路線でもある桜島線(ゆめ咲線)などがあり、まさに「大阪の顔」と言うべき路線だ。

大阪環状線の路線概略図

 大阪環状線はその性格上、東京のJR山手線と比較されることも多いが、JR東日本が運行する山手線では、JR化後に「コスト半分、寿命半分」というコンセプトのもと時代にあった車両の投入・更新を行い、103系(1988年引退)、205系(2005年引退)、E231系500番台、そして最新型のE235系と車両の世代交代を重ねたほか、駅構内のリニューアル、特にバリアフリー化と駅ナカ整備に力を入れた改良を急速に推し進めた。  それに対し、JR西日本が運行する大阪環状線では、他線乗り入れ車両を除くと一貫して国鉄時代に製造された堅牢な造りの車両(103系、201系)を改装したうえで使い続けるという手法を採ってきたほか、数年前までは国鉄時代の面影が強い内装のままの駅が多く、とくにバリアフリー対応やトイレに関しては利用客から苦情が出ることも多かったという。

拠点駅でありながら昭和の面影が色濃く残る大阪環状線・京橋駅ホーム(大阪市城東区)。 主力車両の103系(写真)は導入から約半世紀を迎える

 しかし、近年はそういった「旧態依然たる路線」という大阪環状線のイメージは大きく変わりつつある。その象徴となる存在が、12月24日にデビューした新型車両「323系」だ。
次のページ
45年ぶりの生え抜きの新車
1
2
3
4
5
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会