中国スマホ市場でトップに躍り出たOPPO、その戦略と勝因

広東欧珀移動通信の本社ロビー

 香港特別行政区の調査会社であるCounterpoint Technology Market Researchは、中国における2016年第3四半期のスマートフォン(スマホ)出荷台数に関する調査結果を発表し、メーカー・ブランド別でOPPOブランドを展開する広東欧珀移動通信がトップに躍り出たことが判明した。広東欧珀移動通信は中国の広東省東莞市に本社を置く携帯電話メーカーで、大躍進の背景に迫る。

OPPO R9が大ヒット

大ヒットしたOPPO R9

 広東欧珀移動通信の1位獲得に大きく貢献したのは、2016年3月に発表されたOPPO R9の販売が絶好調なことだ。OPPO R9には及ばないが、OPPO R9の大型版となるOPPO R9 Plusも好調だ。発売時の価格はOPPO R9が2,799人民元(約4万4000円)、OPPO R9 Plusが3,299人民元(約5万3000円)、中国では中高価格帯に分類されるが、経済レベルが高い都市を中心に販売を伸ばした。  OPPO R9などRシリーズの陰に隠れがちだが、OPPO A37やOPPO A59のようなAシリーズも順調だ。Aシリーズは中低価格帯で、経済レベルが高くない都市でもよく売れた。中低価格帯とはいえこれらは1,000~2,000人民元(約1万5000円~3万円)であり、500人民元(約7500円)以下のスマホも続々と登場する中で決して安いわけではない。  OPPOブランドは、安くなくても選ばれる理由を戦略的に作り上げてきたのだ。
次のページ
OPPOブランドヒットの戦略とは?
1
2
3
4
5
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会