Jリーグ“ベトナムダービー”の功罪、過剰PRや起用法に批判の声

水戸に移籍したグエン・コン・フオン(中央)

 いま、アジアサッカーが熱い。東南アジアや中国、インドなどの新興国でサッカーが爆発的な人気を博してきており、その経済規模も日本サッカーを凌駕するものが出てきている。サッカーのレベルも徐々に日本や韓国などの強豪国に近づいてきており、色んな意味で無視できない存在となってきている。  ASEAN諸国のなかでもベトナムは経済成長著しく、9000万人を超える人口を持ち、南北に1560キロに渡る広範な国土を持つ。サッカーにおいてもASEAN内ではフィリピンやタイと並び上位につけている。先日まで代表チームの監督を日本人が務めていたり、現在もベトナム人有名選手がJリーグクラブに移籍していたりと日本との交流も加速してきている。Jリーグはアジア戦略の一環としてVリーグ(ベトナムリーグ)と提携協定を結んでおり、ガンバ大阪や川崎フロンターレ、水戸ホーリーホック、横浜FCなど複数のJクラブがベトナムとの活動にも力を入れている。  10月16日にケーズデンキスタジアムで開催されたJ2リーグ第36節水戸ホーリーホックと横浜FCの試合は、両チームにベトナム人選手が所属することから「ベトナムダービー」と銘打たれて大々的なPRが行われ、試合前から日本・ベトナム両国で大きな注目を浴びた。しかし、ふたを開けてみれば、横浜FCのグエン・トゥアン・アインが怪我でメンバー登録から漏れたうえ、水戸のグエン・コン・フオンも終盤に顔見せ程度で途中出場するにとどまった。名ばかりとなった「ベトナムダービー」にファンは失望し、SNSでは所属クラブに対するベトナム人からの誹謗中傷のコメントが相次いだのだった。
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「ベトナムのメッシ」などとして試合前から大きな期待を集めていたが……
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