仕事が速い人が「見えないところ」でしている3つのルール

「かつて、私が社内で上司の仕事のやり方を観察していたところ、全員が共通して物事の動き出しが早いことに気づいたんです。何か問題があったらすぐに人を集めて話し合うことを徹底しているんですね。  初動を早くすることは、言い換えれば「迷っている時間を減らす」ということです。ビジネスに絶対的な正解などないのですから、どの選択肢がいいかを悩むよりも、まずは動いてみるなど割り切ったほうがいいと思います」(木部氏)

間接的な作業をするとき、不要な労力を省く

「メモで報告すればいい内容なのに、わざわざパワポを作って時間をかける。これをムダと言いますが、知らずしらずのうちに投資対効果の低い仕事をしてしまっていることがあるのです。同じ1時間でも、成果の良し悪しがはっきり分かれてしまいます。間接的な作業からは何も生まれないことを理解できていないのです。  事例として、とあるチームで見積もりを依頼したことがありました。最初に出てきた見積もり内容の論理が成り立っていなかったため、差し戻したんですね。その後、彼らがどうしたかというと、チームのなかで1時間も2時間も議論した挙句、私に『足りない工数を説明するのに20分ください』と言ってきたんです。『整理しなくてもいいよ、すぐに教えてほしい』と私は伝えました。  社内向けの見積もりに2時間も使う必要はないのです。この場合、4人のチーム全員で会議していますから、会議だけで4×120分=480分が失われるわけです。これは、明らかな無駄です。せめて、先に私に教えてほしかったと思います。  また、こんなケースもありました。2か月ほど前に不具合が見つかった機能があり、原因を報告するよう依頼していました。口答での報告で良かったのですが、2週間かけて報告資料を作成して、エクセルにびっしりと報告内容が書かれたものが提出された。『ちょっと待て、そんな報告書はいらないよ』と驚きました。  総じて、目の前の仕事にどれくらいの時間をかけるべきかを最初に確認すべきだと言えます。最初に事前に相手に確認を取る。それだけで仕事のスピードはグッと速くなります」  無駄な作業を増やしてしまう人には、まず全体を見てから仕事に取りかかるクセがついていない。木部氏はそんなビジネスマンを「鳩」もしくは「猫」と呼ぶ。どちらも「エサを与えると、まず食いつく」というのだ。厳しい一言だが、焦って取り掛かるのではなく、1回立ち止まって、全体を見る意識が必要である。
次のページ
忙しいときこそ気をつけたいルール
1
2
3
仕事が速い人は「見えないところ」で何をしているのか?

これをやるかやらないかで、1週間後、1年後、3年後に差がつく!

ハッシュタグ
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会