外貨獲得No.1エジプト観光業。度重なるテロに加え、墜落事故で衰退に拍車

2010年から下降する一方

 現在、シャルム・エル・シェイクに現在観光客として僅かに訪問しているのはリ〈トアニア、ウクライナ、カジキスタン、レバノン、ヨルダン〉といった国々からの訪問客だという。これまで潤いを与えていた〈英国人、ロシア人、ドイツ人の姿は全く見られない〉という。 (参照:『El Mundo』)。  2010年に、エジプトは1470万人の観光客の訪問を受けて過去最高の数字を記録したという。しかし、それ以降は観光客の減少が続いている。  アラブの春の改革旋風が巻き起こった2011年には観光客は950万人と減少。2012年から2014年は少し回復したかに見えたが、ムスリム同朋団への弾圧が激しくなり、テロ事件が再発して観光客の訪問も減少の道をまた辿り始め、2015年は930万人の訪問者数となった。そして、今年1月のイタリア人学生の殺害などから今年の第1四半期は昨年の同時間と比較して40%の減少が記録された。  そして今回の墜落だ。 2020年には2000万人の観光客の訪問を期待していたエジプト観光相にとってこの推移は目標達成には非常に厳しい結果になっている。(参照『ABC』)。 <文/白石和幸 photo by Marc Ryckaert (MJJR) CC BY 3.0> しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身
1
2
3
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会