スーパーの有機農産物の品ぞろえに、7割の消費者が不満を抱えていた!?

スーパーの品ぞろえと、消費者のニーズとの間にギャップが広がる

 これだけの有機農産物に対する消費者ニーズに、スーパーマーケットなどの小売店は応えられているとはいえない。身近なスーパーマーケットの有機農産物の品揃えについて「十分ではない」(16%)、「どちらかといえば不十分である」(51.1%)と、約7割の消費者が不満を抱え、現状とのギャップが浮かび上がっている。  有機野菜が豊富なスーパーマーケットに対し、消費者は「有機農家を応援している」(48.8%)、「環境によいことをしている」(48.7%)といった好印象をもち、普通の野菜を売っているだけでは得られない企業イメージへの可能性が示されている。  9割以上の人々が買い物をする身近な存在となったスーパーマーケットには、環境問題への取り組みなど社会の目は厳しくなりつつあり、競合企業に差をつけたい経営者にとって、有機野菜の販売は大きなチャンスとして映るのではないか。  小売店の今後を左右するのは、オーガニックブームが日本でも進行中であることを認識し、店頭を消費者の期待に応えられるものに刷新できるかどうか、その姿勢だろう。今後もより一層、消費者ニーズを先取りし、新たな関係値を社会と築いていく努力が求められる。 文/石原謙治 (国際環境NGOグリーンピース・ジャパン) 参考資料:「有機農産物と農薬に関する消費者意識調査ーー小売店は消費者ニーズに応えているか」 http://www.greenpeace.org/japan/Global/japan/pdf/20160323_Organic.pdf
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