バルサの本拠地「カンプ・ノウ」スタジアムの改修、日本の日建設計に決定

現地紙も日建設計を高く評価

 一方、スペイン紙の多くが、日建設計を称讃する論調だ。設立から100年の歴史を持ち、アジアの主要都市に支店を構え、アジアでトップの建築設計会社であると評価している。また、世界の40か国以上で作品を手掛け、東京ドームなどを設計した実績を挙げ、さいたまスーパーアリーナでは2006年にスペイン・バスケットチームが世界チャンピオンになったことなども『El Pais』紙は言及していた。バルセロナ・サッカークラブはサッカー以外にバスケットも世界的に強豪で、米国のNBAにもバルセロナでプレーした選手が移籍している。 「カンプ・ノウ」の改修工事は来年5月から工事を始め、2021年2月の完成を予定しているという。(参照:「MARCA」)。この期間も「カンプ・ノウ」は閉鎖することなく試合に使用できるというのが改修の条件になっている。改修費用の総額は6億ユーロ(738億円)で、その中にはバスケット競技場や駐車場、練習場などの改修費用も含まれている。サッカースタジアムだけの改修費用は3億6000万ユーロ(432億円)と発表されている。  改修の為の資金については、バルセロナ・サッカークラブの〈ブランド使用権をこの先20-30年で譲渡して得る収入が2億ユーロ(240億円)、銀行の融資で2億ユーロ、そして残りの2億ユーロを同クラブが捻出する〉としている。しかし、同クラブは既に〈3億2800万ユーロ(3900億円)というクラブにとって巨額の負債を抱えている〉この財政事情の中で、2億ユーロの捻出には疑問があるともされている。(参照:「El Pais」)  今期も1899年創設のバルセロナは好調だ。嘗てバルセロナでプレーしたルイス・エンリケ監督のもとで現在リーグ戦で首位を守っている。チャンピオンリーグも決勝にまで進める勢いだ。 <文/白石和幸 photo by FCB> しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身
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