変貌する南の楽園。在タイ「ママ友」社会で増す軋轢

photo by suc(CC0 PublicDomain)

 2014年10月下旬から約10日間にバンコクで30代日本人男性の自殺が相次いだ。ひとりはカラオケ街で知られるタニヤ通りのビル内の吹き抜けで、ガソリンかなにかで体に火を点けて飛び降りた。もう一方は、経営する有名な飲食店内での自殺だった。

 陽気なイメージがある南国タイに行ってまでなにを苦にして命を絶ったのかと思うかもしれないが、この2件の自殺は場所が目立つところだったために報道された例に過ぎない。日本の外務省が2015年12月に発表した2014年内の海外邦人援護統計によると、アジア地域で日本人の自殺人数は26人、そのうち21人が死亡していた。一時期のタイは週にひとりは自殺をしているというほど多かったこともあるというほど、海外での自殺日本人は少なくないのだ。

 同省が発表しているタイ在留邦人数は2014年10月1日時点で6万4285人にもおよぶ。国別でもアメリカ、中国、オーストラリア、イギリスに続いて第5位の人数だ。アメリカや中国、オーストラリアは広大なので各都市に分散していると思うが、タイの場合、その大半がバンコクおよび近郊に集中する。そのため、日本国外における日本人の密度はトップクラスと言っても過言ではないレベルだ。

 かつて在タイ日本大使館にいたある職員がバンコクをこう語っていた。

「今のバンコクにある日本人社会は日本の縮図です」

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