BMWがAmazonで電気自動車を売り始めた理由とは?

 4月1日、BMWは同社の電気自動車「BMW i3(アイスリー)」を、「Amazon.co.jp」で販売を開始した。
AmazonのBMW  i3 特設サイト

AmazonのBMW i3 特設サイト

 BMW i3は、最大出力125kW/170ps、最大トルク250Nmを発生する電気モーターおよび総電力量22kWhのリチウムイオン電池を搭載し、2秒の0-100km/h加速をゼロ・エミッション走行で実現する。1回の充電で160km、走行モードをECO PROモードにすると180km、ECO PRO+モードで約200km走る。  車両合計価格は527万円からとなるが、Amazonではローンとリースの2通りの購入プランが用意されており、60回払いローンは99万円の頭金、5年リースの場合は初回支払2か月分となる15万2768円が価格欄に書かれている。  もちろん、さすがにクリックしたらあのAmazonの箱で届くわけではなく、ディーラーから電話があり、もろもろの説明があった後晴れて契約、そして納車となるので、クリック以降は普通にディーラーで車を買ってからの手続きと大きな差があるわけではない。  Amazon自体は昨年の6月から中古車販売を開始しているが、新車の販売は初となる。  それにしてもBMW i3の日本発売は1年前のこと。なぜここにきてAmazonで販売を開始したのか。自動車業界に詳しいK氏は語る。 「ひとつはプロモーション戦略でしょう。Amazonが新車を発売するとなれば、それだけでも話題になります。すでにAmazonには特設ページも設けられ、大々的なキャンペーンを展開しています。Amazonと組むことで、購入者の消費行動も把握できて一石二鳥です。  あとは純粋に販売チャンネルが増えることはメリットが大きい。そもそも都市部ならまだしも、地方であればディーラーがない地域すらある。そういうところのニーズを掘り起こすこともできます。また、最近の人は『ディーラーで車を買う』とか『中古車情報サイトを見て探す』とかいう『車を買う”お作法”』にも疎い人が少なからずいます。こうした層に『Amazonで買える』と知られるだけでも、それまで車に興味がなかった層にリーチすることができるようになる。この先、Amazonを利用した新車プロモーションも増えるかもしれません」  一年前に販売した車を再び話題にできる。Amazonを利用したプロモーションは功を奏した。あとはここで購入者がどれだけ増えるのか。引き続き注視していきたい。 <取材・文/HBO取材班>
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会