【地域おこし協力隊の闇】国家資格があっても下働き、謎の“武闘派”職員、40歳で老人扱い

”武闘派”の市役所職員の謎

 結局Fさんは、農業指導という名目で田んぼを毎日見て回る仕事に変えられてしまったそうだ。今でもFさんは言う。  「田舎になんか引っ越すもんじゃありません。余所者は都会では想像もできないような理不尽な目にあいますよ。少なくとも親戚や妻の身内が住んでいるとか血縁がある場所でないと地元の人は人間として扱ってくれません」  この地方は、昔から喧嘩っ早い地域とも言われており、総務課長は”武闘派”の一人。なんでも飲み屋で喧嘩をして何人も病院送りしにしたという犯罪スレスレの「武勇伝」の持ち主だった。抵抗しようにも手を出されたらインドア派のFさんに敵うわけはない。Fさんは利用するだけ利用され、1年を棒に振ったと嘆く。  「こんな危険な人物が役所で総務課長をやっているのがおかしいと思いますよね。出ようと思えば出られるのに、都市部の大学を出て田舎の役所にいるっていうことは何か訳があると知りました。都会者はそのへんの裏事情に疎いのでうっかり田舎に行くと大失敗しますよ」  現在出ている地域おこし協力隊の募集要項を見ても、移住促進担当が一番多く、次いで道の駅の職員という募集もよく見かける。所詮、どれも役場にとっては国がお金を出してくれる無料のアルバイトが欲しいだけ。地域おこし協力隊のその先の人生など欠片も考えていないのが実情なのかもしれない。 <取材・文/小手平走歌 写真/zzr
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