セブンアイ、系列の百貨店サテライトは半分以上を閉鎖予定。オムニチャネル化の余波か?

小規模店展開に失敗していたそごう・西武

 そごう・西武の中小店舗の歴史はまだ浅く、その誕生は2011年のこと(それ以前の1990年代まではそごう・西武ともに地方都市駅前を中心に小型店を数多く出店させていたものの、いずれも経営再建の過程で2000年ごろに閉店していた)。  2011年4月にセブンアンドアイ系列のショッピングセンター「アリオ上田」(長野県上田市)に小型店1号店となる「西武 上田」を開設したのが始まりだ。なお、なお、1号店に上田を選んだのは、上田市が当時セブンアンドアイホールディングスCEOであった鈴木敏文氏の出身地に近く、またかつてアリオ上田の出店地そばに西友が運営する百貨店「上田西武」が出店していたという縁もあり、故郷に百貨店を復活させたいという鈴木会長の想いもあったと言われている。

最も新しい店舗である「そごう・西武柏ショップ」。百貨店ならではの銘菓や贈答品を中心に品揃えを行っている。この店舗は「そごう柏店」(9月30日閉店)の代替店舗となるべく、当面は閉店しないという

 以降、イトーヨーカドーの店舗内を中心に、仙台市泉区、埼玉県久喜市、東京都昭島市など、百貨店がなかった都市にも出店を行うことでそごう・西武の新たな顧客を獲得することを目指し、2016年に「セブンパークアリオ柏」(柏市)に出店した「そごう・西武 柏」まで、「西武」もしくは「そごう・西武」の屋号で中小店舗13店を展開してきた。しかし、一部店舗を除いて思ったように収益が伸びず、出店開始から僅か5年で縮小へと舵を切ったことになる。
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中小店舗切り捨てと「オムニチャネル化推進」
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