小池都知事の打ち出した「20時一斉消灯」は根本解決にならない!

いかなる強制も、モチベーションを下げる

 私が危惧しているのは、この宣言が、職員への強制の側面を強調しているように受け取られかねないことだ。「学生寮ではないのだから、○時に帰れ、○時に消灯、門限破りはチェックするは、ないだろう」と内心思っている人もいるに違いない。自分の会社がそうされたらどう思うだろうか?そりゃ、早く帰りたいけれど、強制されたくはないと思うのではないだろうか。「自己管理させてもらないのか……」という声も聞こえてきそうだ。  このように申し上げると、「原則」禁止に過ぎず、申請により20時以降も残業できるし、照明をつけることができる配慮している、そもそも残業することが例外であり異常なので、規制してあたりまえだと言う見解も聞こえてきそうだ。私は例外対応かどうかに限らず、この打ち出し方が、職員のモチベーションを下げないか、気になってしょうがない。  20時以降の残業の原則禁止を強制されてモチベーションが上がるのか。全庁一斉消灯で急き立てられてパフォーマンスが高まるか。20時以降の退庁者はチェックされて満足度はあがるだろうか。私には、ネガティブインパクトが働くと思えてならない。
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モチベーションエリアに応じたマネジメントが先決
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