小泉元首相も呆れた! 「都知事選時の自民党東京都連はどうかしている」

すべてオープンにして、徹底的に議論していく必要がある

小池百合子東京都知事

――小池氏が街頭演説で必ず触れていたのが、小泉政権の環境大臣時代に導入したクールビズの話でした。「小泉総理に相談したら、『じゃあ、やろう』と即断即決でした」「トヨタの奥田会長にクールビズのファッションショーに出ていただいて広めました」というエビソードも紹介していました。 小泉:すっかりクールビスが定着したな。小池さんはアイデア・レディだ。政治家や財界人のトップが率先してネクタイを外したことで、定着して広まっていった。 ――それから、小池知事は築地市場移転について「いったん立ち止まって考える」と訴えました。都議会では自民・公明・民進党が豊洲移転を予定通り進めようとしています。 小泉:築地市場移転はたいへんな問題だ。築地市場の業者たちがまだ反対している。移転賛成と反対がいるからね。どうやって(見直しの)了解を得るのか。相当、苦労すると思うな。オリンピックの問題だってたいへんだよ。小泉政権時代の「道路公団民営化委員会」みたいに、オープンな場で膨大な資料を情報公開しながら喧々諤々の議論をするといいのではないか。 ――当時環境大臣だった小池知事は、小泉政権時代の道路公団民営化のプロセスを目の前で見てきました。とすれば、オリンピック予算の検証や築地移転問題で、同じ手法を採用する可能性があるわけですね。 小泉:道路公団民営化では元東京都知事の猪瀬直樹委員が「全て公開するように」と主張、マスコミに対してフルオープンにした。透明化して、徹底的に議論をすることが大切だ。今は小池知事への判官びいきがあるから、都政の闇、ブラックボックスを明らかにしようとする絶好のチャンスですよ。  小泉元首相も注目するオリンピック予算の検証や築地移転問題。小池知事によって、小泉政権時代の“道路公団民営化方式”が採用されるのかが注目される。 取材・文・撮影/横田 一(ジャーナリスト。小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する主張をまとめた新刊『黙って寝てはいられない』<小泉純一郎/談、吉原毅/編>に編集協力)
ジャーナリスト。8月7日に新刊『仮面 虚飾の女帝・小池百合子』(扶桑社)を刊行。他に、小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)の編集協力、『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数
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黙って寝てはいられない

日本は「原発即時ゼロ」で発展する!

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