交渉上手なビジネスマンは相手の微表情をつねに察知している

相手の表情を察知しながら戦略を練る人が勝つ

 この研究の実験参加者らは売り手もしくは買い手役にランダムに割り振られ、一人の売り手と一人の買い手が二人一組で実験用に作られた電球の売買交渉ゲームをします。交渉ゲームの利得構造は、お互いがwinのwin関係になり得るように設計されているものの、個々の交渉スキルに応じて交渉後にそれぞれが獲得する利得は変化するように設計されていました。  交渉ゲーム終了後、様々な表情写真が用いられ、実験参加者の表情識別力が計測されました。  交渉ゲームの獲得額と表情識別力とを比べると、売り手側であった実験参加者の利得獲得額と表情識別能力とに正の相関が見られることがわかったのです。  この実験結果と私たちの日々の交渉体験を合わせて考えると、商品・サービスの売り手側は、刻一刻と買い手の表情変化を読み取りながら、売り手は自らの利になるように交渉戦略を変化させていくのかではないかと考えられます。
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買い手の感情の方向性に適正額を合わせる
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微表情を見抜く技術

無意識の感情の表われ「微表情」を読み取ることで、誰でもコミュニケーションの達人になれる!

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