萩市長と会津若松市長は握手したことがない!? 戊辰戦争の“終戦”はまだ先?

白虎隊自刃の地

飯盛山にある、白虎隊自刃の地。白虎隊は弱冠16歳前後の男子で組織された会津藩の部隊であった

いまだ対立が続く? 萩市と会津若松市

 まもなく終戦記念日を迎える。「このあいだの戦争」といえば、71年前の8月15日に終わった太平洋戦争を思い浮かべるが、そうではない地域が日本にはある。福島県では、今も148年前の1868年(明治元年)9月22日に降伏した“会津戦争”を指す。  会津戦争とは、幕末の会津藩(現在の福島県)が、薩摩藩(鹿児島県)・長州藩(山口県)・土佐藩(高知県)を主力とした新政府軍と戦った戊辰戦争の局地戦だ。徳川家の一門だった会津藩主・松平容保は、新選組を配下に置く京都守護職を務め、討幕を目指す薩摩・長州と激しく争った。しかし、幕府が朝廷に政権を返上した大政奉還(1867年)を受け、会津藩は新政府に恭順の意を示したにも関わらず、賊軍とされ、郷土を踏みにじられた。 「そんな昔のこと」と思うかもしれないが、その恨みは今もなお消えていない。会津戦争から120年を前にした1987年に、長州藩の藩府だった山口県萩市から、会津藩の城下町だった会津若松市へ友好都市提携の申し入れがあったが、市民の猛反発で頓挫(とんざ)。さらに、打診に前向きだった会津若松市長は翌年の選挙で落選の憂き目にあった。2007年には、参院福島補選で応援に入った安倍晋三首相(山口県出身)が「(会津戦争で)先輩がご迷惑をかけたことをお詫びしなければならない」と謝罪したが、自民党候補が当選することはなかった。そこまで許せない理由は何なのか。
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なぜ、山口県だけが恨まれるのか
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